既存の住宅の裏庭に施主のご両親と叔母が2世帯で住むための住宅である。
土地は限られたスペースながらも田畑に囲まれた見通しのよい、のどかな田園地帯であった。
こうした条件を踏まえ、本来伝統的な日本家屋の構成要素である土間、庇、格子、障子といった外部とのつながりに対するフィルターを抽出し、立体的にレイヤーとして重ね合わせることで、コンパクトなキューブ状の形態でありながら、懐かしさを感じる柔らかな衣服のような住まいになればと考えた。

構成は木格子に包まれたスペースと水周りや収納をコンパクトに納めた白い箱の2つを組み合わせている。
木格子のスペースが2層であるのに対して、白い箱は1階と2階の間に天井高さ1.4mの収納階を設けており、機能的な条件を満たすだけでなく、空間に立体的なつながりを与えている。
外部―半屋外―内部の境界面に様々なフィルターを適宣配置しており、この重ねられたフィルターを通して移ろう格子の影や田園風景を楽しむことができる。
また、夜には格子から行灯のような柔らかい光がもれる。
何気ない日々の生活の中で自然や時の移ろいを感じることのできる住まいとなっている。

敷地面積 467.4㎡(141.0t)
延床面積 288.5㎡(87.3t)
竣  工 2006年
photo   Kouji Okamoto
施  工 藤松工務店