部屋から部屋へと巡る―
数珠つなぎに展開する新しいワンルーム空間の在り方

定年を機に生まれ故郷である福岡の実家を建替えた、夫婦二人だけの生活のための住宅。
要望は以下の三点。

(1)老後の生活やお互いが一人になった場合、寂しさを感じない家
(2)年の節目に親類家族(20人)が泊まれるスペースのある家
(3)先進性を感じさせる新しいスタイルを持った家

2人の生活と20人が必要とする大きな床面積のギャップは「寂しさを感じさせない」という希望と相反するもの。
そのため、2人の生活を広大なワンルーム空間として成立させるのではなく、小さな室を有機的に結合するプランを提案。
各室は、可動建具の開閉により、結合した室が連続する開放性と個室として独立できる閉鎖性を持ち合わせ、シーンに合わせてフレシキブルに空間スケールを選択することができます。

また、各室から二方向以上にわたって隣室とつながっていることは、空間の動線に豊かな回遊性を与え、一室が個室として独立した際の、他室同士の動線確保の役割も担っています。
これらの室(棟)は全部で9つあり、各々に壁と切り離されたフラット屋根―LEAFがかかっています。
このLEAFは各棟ごとに高低差を持ち、LEAFの重なる間隙はハイサイドライトとして、四季と共にうつろう光を、一日を通して他方向から捕らえます。

敷地面積 335.0㎡(101.3t)
延床面積 143.0㎡(43.3t)
竣  工 2009年
photo   Kouji Okamoto
produce  FORZA
施  工 斎藤工務店