家族構成はご夫婦と二人の娘さんで、お一人が嫁がれた為三人の住まいであった。
ご主人は警察の幹部で地味で手堅いイメージであったが、話を伺うとハウジングメーカーの住宅を随分見られ、高い割には物足りないという話だった。
趣味は自家菜園とのことで、敷地内の畑と家との関係性を考慮しつつ連想ゲームのようなイメージの抽出と組み合わせを繰り返し行い、納屋というイメージをベースに納屋と藪、白と黒、線と点という対比をテーマとした建物となった。

かねてから、住宅のコンセプトを強化し和風の型にはまらない自分なりの現代的感性を生かしたモダニズムとしての方向性を造っていきたいと考えているのだが、福岡という地域性が和風嗜好なのか、縛られて抜け出せないでいる一面が自分にある。
一方で、この家族がより幸せに暮らす器として、リラックスできる住宅を造ってあげたいという思いがあり、揺れ動いた住宅ではあった。

敷地面積 381.9㎡(115.5t)
延床面積 152.2㎡(46.0t)
竣  工 2001年
施  工 林組