Cross Wall Residence

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CITY CUBEの敷地より車で5分程の百道地区にあるこの住宅の敷地は、40坪の角地で、道路をへだてた東側は小学校の緑あふれる校庭と南側は桜並木が続く国の機関の研修施設グラウンドに面している。
また北側隣地には2階建てと3階建ての住宅が敷地に余裕のない状態で立ち並び、西側は5階建ての賃貸マンションに面している。
建物は敷地より道路を挟んでL字状に拡がって見える緑の風景を取り入れながら、北側の住宅に対する採光を自主的に考慮することが都市居住に対するマナーと考え計画を行った。

敷地の中に850mmモジュールのグリッドを落とし3層の直方体の箱を設定、前述した隣地への採光と環境を良好にするためにA,B 2ヶ所の外部ヴォイドを設置した。
更に外部ヴォイドはAをガレージ、バスコート、Bを東側に拡がる緑へとつなげるグリーンスペースとして意味付けを行った。
2Fのリビング・ダイニング・キッチンは外の緑を取り込んだ2方向に開いた開放的な空間で、各々の方向へは外部デッキが敷地境界ぎりぎりまで張り出され上部の大きな庇によって外部と内部をつなぐ中間領域を作っている。
この建物は周辺との関係を考慮した構成、形のコンパクト化を図るためのモジュールの採用とそれに基づくグリッドの設定、形を抜き取るためのヴォイドの設置、内部空間の延長としての中間領域の形成による心地良さの確保等CITY CUBEの方法論をベースにしている。

敷地面積 129.7㎡(39.2t)
延床面積 167.0㎡(50.5t)
竣  工 2006年
photo   Kouji Okamoto
構造設計 吉原建築構造計画
施  工 斎藤工務店