設計の依頼を受けて、この敷地に立って感じたことは、水平に拡がるのどかな田園地帯としての印象だった。
ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」を思い浮かべると同時に、宮沢賢治の「セロ弾きのゴーシュ」も連想した。
僕の設計する建物はシンプルでモダンだけれども、レンガのようなシックさと木の持つ暖かみ、田舎の持つ良い意味でのラフさ―そのようなものが一体となったものを作りたいと考えた。

建物は風景の水平的な拡がりの中で、二層の高さのある6つの壁による、せり出しとずれに伴う囲みによって自然とのつながりを意識したものとなっている。
内部は自然の光が溢れるように十分に検討された空間になっており、1F中待合及び2F病室前の長い廊下は突き当りをクローズせずに外部へ空間が連続していき、自然を感じることができる。
又、1・2階廊下前の中間に階段とトップライトを設置することによって圧迫感を和らげている。

敷地面積 1587.0㎡(480.0t)
延床面積 751.9㎡(227.0t)
竣  工 2003年
photo   Kouji Okamoto
構造設計 吉原建築構造計画
施  工 松尾建設