佐賀城のお濠近くにあった大きな敷地が5つの宅地に区画され、そのうちの1区画がこの住宅の敷地である。
将来、敷地周囲は建て込んだ状態になる程ではないと考えられたが、施主はプライバシー確保とセキュリティを強く望まれ、屋上より隣家越しに見えるであろうお濠の桜並木へのこだわりが建て物に強く求められた。
したがって、リビングを2Fに持ってくることを考慮した上で3枚の壁によって形成される矩形のスペースの北側のゾーンに2層の居住部分を集約させ、南側のゾーンには余ったスペース(子供室、玄関ホール、車庫)と壁によって囲まれる外部空間としての中間領域を立体的に配置した。
北側に集約された居住部分の2F床は2つのレベル差のあるAVシアター、リビングダイニング、キッチンがひとつの大きな空間の中に一列に配置されている。
さらにこの空間の中に3F屋上テラス、ロフト、ダイニング上部の3つのプレートが空間に浮かぶ抽象的な真白な雲と見立てられ、構成されている。
うすい青緑色の塗装で壁と天井が仕上げられた箱状の空間と3つの雲との狭間より差し込む自然光により抽象化された自然の移ろいを生活を通して感じることができるようになっている。
敷地面積 266.0㎡(80.5t)
延床面積 162.9㎡(49.3t)
竣 工 2006年
photo Kouji Okamoto
produce FORZA
施 工 宮地建設