Double Courts House｜福岡の建築設計事務所「大石和彦建築アトリエ」

北九州八幡西区市瀬にある計画敷地は東西南北の方位に対し45°振れた状態で前面道路は南西側に位置し、
時計回りに北西側が私道を挟み3階建てと2階建て住宅、敷地奥の北東側に8階建てマンション、
南東側に月極駐車場に面する変形した形状で且つ近隣商業地域と第１種住居地域の２つの用途地域にまたがっている。
建物の配置は、周囲に対するプライバシーを確保しながら、唯一隣地駐車場越しに景色が遠望できる南東方向に開いた計画となっている。
そのため、敷地の変形に対応できるように建物を大きく3つの棟（A-車庫・エントランス、B-LDK 、C-プライベート）に分け、
各々の棟を有機的にずらしながら配置している。
中央部B棟前の庭は、建物の外壁が延長した壁によって内庭となっておりさらに外側の敷地境界線との間にできた外庭により、
LDKからは重なり合った2重の庭を通し遠望できるようになっている。
建物の形状は施主からの要望もあり直方体の箱に庇が付いたものになっており、
3つの棟のズレと高低差を付けた庇の重なりが組み合わされたものとなっている。
内部は門扉によって取り込まれた坪庭のあるポーチからエントランス、2階への階段が面するホール、LDがある大きな空間、
プライベートスペースとの間に取られた回廊と視線移動に伴い空間が次々と展開していく構成となっている。
また全館空調方式を採用しておりキッチン上部の天井裏に空調機を吊り込み送風ダクトは床下を通して吹き出すことで
エアコン室内機のないシステムとなっている。