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2007.06.08

天才と凡才

 今から30年前というと若い人たちは随分昔のように思うかもしれませんが、
私が学生だった頃から、30年前の状況より、今から30年前の方が
極端な差はないように感じます。
それだけ、僕たちの時代に日本という国が成熟してしまってそれからの
変化が少ないのかもしれません。悪く言えば停滞しているとも言えるし、
よく言えば安定してきたとも言えます。
急速な変化がないので年代間のギャップが昔より少なく、面白い部分もあります。

 ところで、30年前の学生の頃、私の学科には、基礎造形という科目があり、
粘土や鉄を使用した実習課題がありました。与えられたテーマに対して、
アイデアをひねり出すのが大変苦痛で、指導の教官に天才たちもみな
このような生みの苦しみを経験するものですか?と聞いてみました。

すると「大石君!凡才は生み出すのに苦しみ、天才は泉のごとく溢れ出るもの
から選ぶのに苦しむんだよ!」

あーあ僕は凡才かぁ!と随分落胆した記憶があります。

でもアイデアは、努力するものです。選択の巾を拡げるためにも
若いときに訓練しておかなければ、出るものも出なくなります。
学生諸君!今が一番大事なときです。

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