2007.10.06
建築における能力とは?
九産大の後期授業が始まっていますが、まだなかなかブログに載せにくい状況です。
もしかしたら、今回の1年生は想像力において私が教えた九産の4年間のなかで
過去最低かも?
空間造形演習では、まず建築に対する捉え方の固定観念をこわすことを
重要視しているのですが、いろんなヒントを出しても、さっぱり響いてくれません。
アイデアを考えるためには時間をかけなければいけないし、そのための訓練を
学生の間にやっておかないと社会人になって伸びないということをしつこく話して
いるのですが、ほとんどの学生が1週間の中でやった作業は30分です。
しかもB5のノートを切り取ったものにエスキースのような簡単なスケッチが1案あるのみ。
そして、自分は能力がないと思っています。
能力がないのではなく、能力を開発するやる気がないだけなのに
能力がないことをやれないための理由にしているだけにすぎません。
私が建築の学生のときは、いつも課題が間に合わない、できないタイプの学生でした。
手の速いやつは、その頃の新しい建築の考え方を雑誌から取ってきて手早く
まとめていましたが、自分のアイデアを捻出するのに時間がかかり過ぎていつも
未完成だった私は、できるやつらに君たちは自分のアイデアがないと批判していました。
出来ん坊主で自信もないくせに批判精神だけは旺盛でした。
結局、アイデアを自分で考えずに他から借用していたできるタイプの学生は、
私の学年では、だれも建築家にはなっていません。
才能なんて建築以外のどの分野にいっても要求されるならば、どこに行っても
一緒だと思うのですが。
才能がないと思う前に能力を伸ばす努力をすることが必要だと思います。
その努力ができるかどうかは、性格における粘り強さやしつこさの有無かもしれません。
いつも思うことですが、大学においてもう少しモチベーションを上げるための授業
を1年生の間に科目としてやってあげると、目覚める生徒も出てくると思うのですが。
これからは、そういうことが必要な時代だと思います。
学生諸君!建築ってすごく面白いぞー!
一度作ってみたらやみつきになること間違いなし!保証します!
ただ、お金持ちになることは保証できましぇーん!
貧乏でーす!