2008.02.29
エピソード
3年前の話。
アトリエ近くの以前住んでいたマンションで、顔見知りの女性の方から
大石さんは、建築事務所を開いておられるそうで
お願いがあるのですがと相談を受けました。
実はその方の弟さんが、建築専門の本を扱う出版社に
勤められ本の紹介を兼ねての営業をされておられたそうです。
お年はまだ取られていなかったようですが、病に倒れ
亡くなられたということでした。
遺品を整理されておられる中で、建築が好きだった弟さんが
ご自分でも購入されておられたたくさんの建築関係の本が出てきました。
村野藤吾のディテール集と写真集、吉村順三のディテール集、ノーマンフォスターの作品集、
ルイスカーンの作品集など数十万円もするものでした。
それを私に寄贈して是非役立てて欲しいとのことでした。
亡くなられた弟さんが大事にされておられた書物を譲り受け、
是非ご期待に応えたいと思い頂く事にしました。
それから2年半後、篠栗の家の実施設計において、担当のヒラノが
寄贈された吉村順三氏のディーテール集を何度となく見ながら
木製建具の引き込みの開口枠納まりを煮詰めているのを見て
嬉しく思いました。
アトリエにおいてあるたくさんの建築の本にもエピソードを伴うものがあります。
さて、篠栗の家、もうすぐ竣工です!
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