2008.10.09
対称性の破れ
先日から4人の日本人の科学者がノーベル賞を受賞され話題になっています。
その中のお一人で、ノーベル物理学賞をとられた南部さんが受賞された論文が
「対称性の破れ」という題で宇宙創生の謎を解明しているということですが、
どういうものか、一般の方にわかりやすく説明するために、マスコミが
いろんな例を取り上げています。
たとえば、中華料理のような円卓を10人くらいの人が囲んで
その間にナプキンを置いておくと左右どちらのナプキンが自分のものか迷います。
その中の一人が思い切って、どちらかに手をやると
一気に対象性が破れて自動的に決定するのが「対象性の破れ」だとか、
1本の鉛筆が立っており、どこから見ても対称に見えているものが
鉛筆が倒れることによって、どこから見ても対称に見えなくなることを
「対象性の破れ」というとか
でもそれを聞いても、それが何故、宇宙創生の謎の解明につながるのか
ぜんぜんわかりませーーーん!
対称性が破れるきっかけが最初の説明では、人間の意志(それがもしかして
宇宙意志みたいなものだったりして)によるものですし、
後の説明では、重力に対する物質のバランスが崩れて、対称性に破れが
生じると考えると、後の説明の方が近いような気がします。
同じように例えを、最初の人間の意志によるものとして勝手に考えるならば、
人間の顔は正面から見ていると左右対称に見えるものの
世界のナベアツの「3の倍数」理論に基いて、顔を歪めると
それは「対称性の破れ」になるではありませんか!
するとナベアツは「対称性の破れ」を芸にしていることになるなど
対称性の破れという言葉って想像が膨らんでいく面白さがあります。
もう少し、専門的にインターネットで調べてみると
本来、物質と反物質の粒子が左右対称と思われていたものが、
反転させて見ると左右対称ではないということがわかった、
それを対称性の破れというと理解したのですが、
たぶんその理解も難しく違っているかもしれません。
また、アートや建築においては「対称性の破れ」は、対称のように見えながら
完全な対称性をわざと崩すために、一部に破れを入れることなど
可能性として十分考えられます。
完全な対称性はルネッサンスの整然とした古典建築をモチーフにした建築であり、
その対称性を崩すものとしての「対称性の破れ」とは、歪んだ真珠と言われる
バロック建築に当て嵌めることもできます。
宇宙を構成する究極の物質が「対称性の破れ」によって、対称ではないとするならば
人間が作る完全な左右対称の表現は、自然界には存在しないがゆえに
自然ではなく、あくまで人工物なんだと考えたり、などなど-----—。
今年の流行語大賞にするためにみんなで勝手に想像しましょう!