2008.10.11
主と従
最近、建築のプランニングにおいて思うことは
一般的通常のプランの場合、1階に主であるパブリックをもってくると
2階はすんなり従として決まるものなのですが、
それが、1階にプライベート、2階にパブリックという逆転したプランになった場合、
1階と2階の面積比率が総2階建てのようにフィフティ、フィフティのケースが多く
本来の2階が主で1階が従という関係が、従の空間が大きくなることで
従が主に対して対等の関係に格上げされてきます。
その結果、1階と2階がただ積み上がっただけのような、
1階と2階があまりつながりを持たないプランになりやすくなります。
その構図がより顕著になるのが、南入りで車庫付き条件のプランであり、
以前、ボクが苦手にしていることをこのブログで書きましたが、
理由は、そういうところにあるのだと考えています。
ONEにおいては、それをひとつながりの空間とすることで解決していますが
あの特殊解を一般解としてどの施主にも進めることは難しく、
また車庫という条件へは適合していません。
1階の従と2階の主との関係性を包含するコンセプトを考え出す必要があります。
もちろん、主と従という関係性を作らない考え方もあり、たとえば、現在施工している
当アトリエのLEAF HOUSE は、9個のスペースすべてが独立しながら
等価値に扱われています。
また、LIGHT TUBEにおいてもチューブ状のひとつながりの空間においては、
すべての場は同じに扱われていると思っています。
ですから主と従というのはこれまでの一般的価値観で、
主従の関係性を作らないのは新しい価値観かもしれません。
だからと言って主従の関係が古いということではなく、もっといろんなあり方を
掘り下げることが必要かもしれません。