2008.11.16
リアリティ
きのうは、インディージョーンズシリーズ第4作、 クリスタルスカルプの謎
のDVDを借り、深夜見ました。
結論から言うとすれば、あくまでボク個人の感想ですが、いままでで
一番、荒唐無稽で、筋書きにも無理があり、残念な映画でした。
時代背景は、当初の1945年以前の世界からインディが年を取った
1950年代後半にしてあり、その結果、かたき役がドイツ軍からソ連軍に
変わっています。
また、50年代後半のロカビリーの時代がインディのこれまで持っていた
時代観と違い、ソ連との冷戦というモチーフがあるものの、これまでの3作と違い
画面に緊張感がありません。
ネバタ砂漠の核実験場に迷い込んだインディが、実験のために作られた
住宅の冷蔵庫に隠れ、核爆発から逃れるシーンなどは、
その後の核放射能の恐怖など微塵もなく、製作者は放射能に対しほんとうに
そのような理解なのか、つい疑ってしまいます。
ボクはすでにこの時点で興ざめで、その後も万事がその調子で映画は進んで行きます。
インディシリーズは娯楽映画、ありえないことを楽しめれば良いのかもしれませんが、
観客にとっては、ありえないことにリアリティがあることで
もしかしたらありえないことでもないと思わせることが、映画の持つ魅力だと思います。
これは、大学の建築学科の課題においてもいえることで
もともと、課題設定や予算も含め、学生が提案するものは
基本的に建たないものです。
それでも、その面白い提案に少しでもリアリティがあれば
その提案はとても魅力的に見えてくるものです。
リアリティには、企画としてリアリティや造形としてのリアリティ、
システムとしてリアリティ、構造的リアリティ、論理性のあるリアリティ、
分析としてリアリティなど様々なリアリティがあるわけで
素晴らしい提案は、常にいくつかのリアリティを含んでいるものです。
我々の設計という作業は、まず、実現させるリアリティが当然ながら
最優先としてある訳ですが、リアリティの積み上げだけでは斬新なアイデアは出て来ず
リアリティは、あくまで実現させるための方法としてあります。
荒唐無稽かもしれないイメージとリアリティは、建築という行為において
発想と方法がセットになったものとして
とても重要なキーワードです。
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同じく僕も昨日の昼間寝転がって観ました。全く同じ感想です。終盤にでってきてしまった「あれ」にはかなりがっかりです。その瞬間にB級映画以下に成り下がりです。建築のリアリティーの話は確かにうなずけるお話ですね。。。お久しぶりのコメントでした~!!!
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感想ありがとうございます!
ほんとうにそうですよね!
もっとつまらない部分を書きたかったのですが
嫁から「あなたいつから映画評論家になったの!」
と言われ止めました----------。
それにしても昼間寝転がって見られるという表現が
とてもリラックス感が伝わってきて、きっと気持ちいい
住宅なんだろうなあと思いました!