2010.06.04
鳩山首相から菅首相へ
さて、3日前、鳩山さんが急転直下辞任され、
本日、代役として菅さんが総理大臣に任命されました。
これで4年間に4人の総理が入れ替わることになりました。
鳩山さんの両院議員総会での退任に対する発言は、マスコミや知識人に対し
おおむね好評だったようですが-----–
残念ながら理想主義者としての政治家だったのかもしれません。
発言の中の最後の方で、
「済州島のホテルのテラスに
一羽のヒヨドリが飛んでまいりました。
我が家から飛んできたヒヨドリかな。
姿かたちが同じだからそのように勝手に解釈して、
もう、そろそろ、戻ってこいよ。
そのことを招いているようにも感じたところでございます。」
という発言が前半の内容と流れに対し唐突で情緒的であり
まるで平安貴族が都落ちを詠んだ和歌のようだとマスコミに揶揄されていました。
ちなみにヒヨドリは野鳥で飼えないらしく、どこで飼われているのか
おそらく大豪邸の鳩山会館ではないか?などどうでもいいことですが
マスコミによって分析されていました。
もう辞められた方の批判をするのは良くないのかもしれませんが
これからは、一国を代表する政治家の方にもデザインに対するセンスをもっと持って頂き、
それをさりげなく表現できる総理大臣が出てきて欲しいものです。
これまで歴代総理の中でもっともそういう感性が高かった方は、細川さん以外
いまのところおられないように思います。
テレビで鳩山さんの在任中の自宅での食事シーンが流されていましたが、
アールヌーボー風のステンドグラスのペンダントが円形のダイニングテーブルの上に
下がっており、服のセンスといい、大変裕福な方にしては趣味が良いとは思われず
(アールヌーボーだから悪いというのでは無く、インテリア全体のコーディネートの問題で)
日本の文化的レベルの高さをそんな時にさりげなく感じさせることも
必要だろうと思います。
そのようにして見たときに、
今回、菅首相の自宅が映像に写っていましたが、正直言って、大変庶民的住宅で、
一般の方たちは、それが好感が持てて良いと思われるかもしれませんが
施主との共同作業による住宅の創造を通して、文化を成熟させていこうと
職業柄思っている立場としては、少しがっかりするとともに、
鳩山さんとは違い、実行力は期待できるものの、文化的な価値に対する
見方ができない人ではないだろうかという不安がよぎりました。
昔の政治家の自邸はそれなりに権威と気品を備えていました。
今は、権威的な住宅でなくて良いですし、お金がかかっていなくても構いません。
それでも気品を出すことは可能です。
これからは、政治家の方々にも生活全般に対する高い見識を持ってもらい
文化としてのこだわりをさりげなく見せれるようになってもらいたいと思っています。