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車の中でのスタッフのフジヤマとの会話。
「きみ、日曜日の8時からNHKで放送されている大河ドラマ龍馬伝見てる?」
「いえ、見てません」
「エッ!どうして?」
「わたし------福山雅治が嫌いなんです!」
「ああ、アイドル系で人気が高いタレントが視聴率欲しさで起用されたりすると
わからないでもないけど、福山は、これまでいろんなドラマにも出ているし
それに、もう41才だぜ!坂本龍馬より年寄りだぜ!
そこいらへんのアイドルとは違うけどなあ」
「それに、それだけで見ないなんてもったいないよ!
ボクだって苦手な広末が幼なじみの恋人役で出てても、見てるよ」
「---------------」
「回りの役者もみんな芸達者ばかり、将来、三菱の創業者になる岩崎弥太郎役の
香川照之など汚いかっこうして、下士の身分から必死に這い上がろうとしている演技など
いやらしいほど貪欲でうまいし、」
「わたし、香川照之は好きです!」
「そうだろう、香川はほんとにうまいよね!それにもう殺されたけれども
吉田東洋役の田中 ミンなど恐ろしいほどの演技だった、
武市半平太役の大森南朋も独特の言い回しで
物語の前半において福山と同じくらい準主役で緊張感のある演技。
それに唯一、アイドル系で他の役者より随分年が若く、まだ20才にも関わらず
頑張っているのが岡田以蔵役の佐藤健。
かれは仮面ライダー役でデビューし、映画「MYU」の封切り前にテレビ版として
先行放映された「myu]の主役もしていたけれども悪くはなかった。
龍馬伝では龍馬の幼なじみにしては年の差があり
大変だと思うけれど屈折しながらも人間味を残した演技はうまい
そういううまい役者たちで固めながら、明治維新前の幕末の混乱状況が
緊張感を持って描かれ、日本の未来を思う気持ちはみな同じにもかかわらず
自分の主義、主張を曲げないでぶつかり合っている
そういう必死さが迫真の演技で伝わってくる
これまで幕末物を見てきたけれども
今回の大河ドラマほど時代を感じさせるものはなかった。」
「ああ、そう言われると面白そうですね」
「それに次回くらいから、そろそろ新撰組の近藤勇役で原田泰造が出てくるけれど
これがまた、すごい似合っていると----------------。」

オジサンの熱い話は、フジヤマ運転の車の中で続くのでした----------。

とにかく最近のNHKの演出レベルは非常に上がっており、それに比べると
民放はお笑い系ばがりで年々ドラマのレベルが下がっているように思います。
おととしの大河ドラマ「篤姫」も女性を描いた歴史物としては、非常によく
出来ていたと思いますが、今回の「龍馬伝」は、筋書き、役者、演技、映像、音楽
において、さらによく出来ていると思います。

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