2010.09.16
槙さんの一文
当アトリエにエジンバラ大学からインターシップで来ている王さんが
好きな建築家としてカルロ・スカルパを挙げたので
久しぶりにアトリエにある1985年のa+uのカルロ・スカルパの臨時増刊号を
見ていたら、建築家の槙文彦氏が一文を寄せられており、
スカルパについての本題に入る前の前文をちょっとご紹介。
古今東西を問わず、すぐれた建築作品について一般にいえることは、
それらの作品がつくられた時代に生きた多くの建築家、あるいは
建築家以外の人々が意識のうえで潜在的に表現したいと思っていながら
顕在化しえなかった「何もの」かを一撃のもとに露にする行為に他ならない。
建築の創造が発明ではなく、発見であるということは、
建築がつねに想像を超えたものを追求することではなく、
時代が共有する想像に応える文化的な行為であるからである。
槙さん57歳
カルロ・スカルパは、むかし好きな建築家の一人だったのですが
今、見てみるとそう思わなくなっている自分がいます。
たぶんそれは、空間が構成的ではなく、密度のあるディテールによって
造られているように見えるからかもしれません。
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