2011.09.12
CASA cross
商品化されたCASA crossのプランについて
今回の住宅プロジェクトにおけるコストバランスによって考慮された
4間×4間(1間を1.82mとして7.28m×7.28m)の構造フレーム的枠組みにおいて
経済的な梁の架け方を考慮した場合、
中心に柱を1本立てると4間×4間の中に
2間×2間(3.64m×3.64m)の箱が4つできることになり、
梁を架ける長さを3.64mに抑えることができます。
その場合、プランも田の字型プランとしての構成的制約を受けることになります。
今回のボクの提案においては、それ以外の構成を考えました。
それは四隅に1間×1間(1.82m×1.82m)の箱を4つ配置することで
中央に2間×2間(3.64m×3.64m)の広さ8帖のスペースができ
この構成でも梁を架ける長さを3.64mに抑えることができます。
且つ、その4つの箱に機能的役割を持たせることができれば
構造的配慮が構成となり機能を含めた整合性のあるプランとなります。
そこで1,2階上下各々4つの箱に1Fは階段、トイレ、浴室、クロゼットという機能を持たせ
2Fに階段、パントリー、2つのストックルームの機能を持たせています。
基本的にはそれ以外をスケルトンのフリーな状態にしてあげれば
住まい手によって自由に生活の味付けを行うことができると考えています。
ただフリーとは言っても、どのようなライフスタイルが想定されるのか
ある程度ベースになるプランが必要になり、
1階においてはエントランスホールとサニタリースペースを設定しています。
トイレをエントランスホールに面して設置することにより、
奥のサニタリーとの間にある18帖のフリースペースは、
廊下を必要としない家族のためのプライベートなスペースにすることができ
スケルトンフリーの状態に近づけています。
30代のご家族を対象としたこの住宅の場合、
お子さん達もまだ小さくほとんどの家族は寝室を一緒にされているケースが多いため
この18帖のワンルームを自由に設定してもらうことができればと考えています。
将来的には主寝室と子供室の二つに分け、さらに子供室を二つに分けることができます。
また、約5帖あるサニタリーは室内物干も可能であり、
隣接する2帖のクローゼットとのつながりにおいも便利です。
1Fの閉じたプライベートスペースに対し
2Fは、十字型に外に開いていく28帖のフリースペースになっています。
四隅に配置された閉じた箱以外は床から天井まで取られた開口部が4方向に設置され
外部とつながっていく光のスペースです。
対称形であるため東西南北に対し、どのような配置でも可能です。
28帖の使い方は様々で四隅の箱の壁に合せ仕切ると中央の8帖に対し
4方向に5帖のスペースを作ることができます。
したがって、5帖、8帖、5帖と一列に並べたスペースをLDKとして
両サイドの5帖を子供室にすることも可能です。
構成的枠組みによって壁の仕切り方が明快であり
イメージをシンプルに描くことができます。
CASA crossは、明快なコンセプトを基に
全国の工務店に対し間取りに対するプランニング力がなくても
建築家へ依頼せずに十分対応できるものとして商品化しています。