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きょうはプロトハウス主催のパッシブ住宅の講習会に出席。
建築家や工務店の方々が参加されていました。
その中には、柳瀬さんや筑羽工務店のハタさんも。

パッシブハウスとパッシブデザインとは定義が違うらしく
ハウスの方はドイツにおける省エネ基準である「パッシブハウス基準」を
クリアした住宅のことを示し
デザインの方は換気風量の温度調節だけで空調が可能な
アクティブな冷暖房器具が不要なデザインという意味らしい。

パッシブハウスはいわゆる高気密・高断熱の住宅であり
年間の消費エネルギーを15KW/h以内に抑えることを目的としています。
灯油1リットル当たりのエネルギーが10KW相当になることから
年間で1.5リットルしか使用しないという信じられないほどの
ローエネルギー住宅です。
その基準をクリアするために以下の4つの項目があるそうです。

1  断熱  壁と屋根には最低200mmの断熱
2  気密  完璧な気密処理(気密測定で確認)
3  窓   3層ガラス断熱を採用
4  換気  熱交換による換気システム

これは、当アトリエが田島O PROJECTで施主の方から出された要望に似ており、
もちろん3層サッシなどは採用していませんが高気密・高断熱における
機械換気システムの重要性などは施主が言われている通りで
これは大変よく理解できました。

つぎにパッシブデザインは消費エネルギーを抑えるのに上記の建物性能を
上げる以外に建物のまわりの自然エネルギーを利用しながら心地よさと
省エネルギーを両立させる暮らしの実現を目指しているとのこと。

自然エネルギーとは太陽からの光、熱及び自然風、地熱、雨水などの利用で
これも田島の施主が言われていたことでO PROJECTでは
当初、地中にチューブを入れ井戸水のように地中の熱が一定である結果
夏、冷たく、冬暖かいことを利用した空気取り入れシステムの検討もありました。
結局いろいろな比較検討で採用には至りませんでした。
また、太陽の熱においては庇を深くとり南側に1間の奥行のバッファゾーンを設定。
当然ながら屋根には太陽光発電システムを載せています。

どちらにおいても内部結露の問題があげられ、
自分のなかでの認識が不足していると感じました。

今後、住宅において二酸化炭素を減らす意味合いから2013年10月に
改正省エネルギー基準が定められ、2020年~2030年の間に
全ての住宅において省エネ基準の義務化となるそうです。

そうなれば今度は我々設計者は、姉歯事件以降厳しくなった確認申請書類作成業務以外に
断熱性能を表すUA値や日射遮蔽性能を表すμA値の計算をパソコンと睨めっこしながら
格闘しなければならず、もう住宅を人力で牧歌的に造る時代ではなくなりつつあります。

なにかだんだん感性で仕事をする部分がどんどん狭められてきており
フルオーダーで自由に実現させようとすると膨大な時間と経費が掛かる時代が
訪れようとしているのではと不安になります。

たとえば、これまで感性のおもむくまま自由に料理を作ってきたのが
使用する材料の環境性能数値を一覧表で求められ、
調理する熱量制限があるなかで作らないといけないようになったらどうでしょうか?

時代に逆行するようですが、そんなに性能や数値って大事なんでしょうか?
数学は嫌いではありませんでしたが、役所の杓子定規な規制はほんとに苦手です。
感性で生きていこうと思っていたボクにとって何だか息苦しく感じてしまいます。
住宅ってもっとおおらかに造れないのかなあ-----—おおらかに造りたいなあ-----–。
建築を造ることの面白さに対し、
あまりの制約によって若い人たちが夢を失わないといいのですが----------。

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