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そういえば、表参道に行ったのは中村拓志設計の東急プラザを観るためで
順番が間違っていました。
屋上庭園のある城塞が持ち上げられたような独特の形態
城塞というイメージは立ち上げられた建物の4隅を残し
切り込まれた緑によって残った形態が城塞のトップラインに似ているからかもしれません。
また鎧のような六角形の大型タイルが効いています。

上階へは表参道より多面体のミラーが貼られたトンネル状の空間を
エスカレーターで上がっていきます。
2階から5階までは若い人向けの店舗が入った商業スペースとなっていますが
吹き抜けやエレベーターホールまわりのデザインなどたぶんここは
ご本人が関わっていないのではというようなごく普通のデザイン。

しかしながら最上階の屋上庭園は、都会のオアシスといっても良いほど
小鳥がさえずる静かなスペースで高木の土量を確保するために建物の外周部を
高くし段状のデッキによるすり鉢状の空間となっています。
もともとこれだけ人通りが多い表参道沿いにポケットパークがひとつもないというのが
問題であり商業地としての土地単価の問題があるにせよ
公共空間として欲しいところです。
民間のスペースで確保できたのは通常使われていない
屋上スペースを利用したということなのでしょう。

ここで長男と待ち合わせをしB&Bへ向かいました。

またここへ来る途中、表参道通りにできたコーチのショップ(重松象平デザイン)も
外からだけ見ました。

ガラスでできたディスプレイボックスユニットは
コーチの商品を見せるための棚としての単位になっており、
その集積によって壁面から建物に至る構成が可能とのことのようで
ファサードとしてのデザインではなく
システムの表現と商品の陳列のためのガラスボックスで
通りとのコミュニケーションを誘発させる媒体としてのスクリーンということですが、
ファサード部分には陳列はされておらず
単なるファサードにしか見えないためよく理解できませんでした。

最後は妹島和世氏が設計したトーヨーキッチンのショールームへ

最初は子供服のショップとなっていたようですが竣工して2か月ほどで
トーヨーキッチンに変わったようです。
鉄骨でできた半地下の階がある3階建ての建物の四周をエキスパンドメタルでできた
白いスクリーンによって囲い、存在感を霞んだような淡いものにしています。
この建物の凄いところはエキスパンドメタルを支える下地がほとんど無いような
ディテールが考慮されていることでスクリーン上部に建物から突き出た腕より
ステンレスワイヤーを垂らしそれにテンションをかけることで
ステンレスワイヤーとエキスパンドメタルに溶接されたドット部分を押して
スクリーンが固定されていることです。
その結果内部からは、外部の景色が霞みやわらかい雰囲気が醸し出され
とても気持ち良い空間として感じました。

内部空間をカメラで撮影するとどうしても外部の景色にピントが合い
とてもやわらかい何とも言えない感覚を表現することができません。
この建物は中へ入って体験しないとわからないと思います。

さてさてきょうはいろんなところを見て回り、最後はおいしいピザで締めくくることに。
事前に18時に予約を入れ、次男も合流して家族4人で
中目黒にある聖林館という予備校の名前のようなナポリピザで有名な店へ

コンクリート打ち放し仕上げのなか配線用の配管もすべてむき出しで
鋳物で作られたらせん階段が精巧でかっこよく
分電盤も中身をむき出しにしガラス扉のある木の箱に入れたデザインが
この空間にぴったり合っていました。

ピザはマルゲリータともうひとつの2種類のみですが生地がもちもちして
とてもおいしく頂きましたがピザという食べ物ももうこれ以上の差をつけるのは
難しいというか、他の料理に比べピザ料理は限界があるように感じました。

その後、4人ですぐ近くを流れるドラマ「最高の離婚」のロケ地で有名になった
目黒川沿いを散策、子供たちと別れホテルに戻りました。

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