2014.04.21
台中メトロポリタンオペラハウス現場を巡る台湾現代建築視察 3日目 その3
その後、台湾桃園国際空港へ
出入国審査を通過後、皆さん各自、免税品店売り場で買い物。
買い物を終え、ブラブラと出発ゲートへと向かう------。
-----そういえば、団紀彦氏が設計した空港の第1ターミナルはどこにあったのだろうか?と
思っていると通路のガラス越しにそれらしい建物が見えてきました。
この先で繋がっているようで出発時間まで少しあるので早速、行ってみることに。
ぎりぎりで最後に目標の建物を見ることができました。
日月潭風景管理処のコンクリートによる塊のようなものに対し
こちらは鉄骨の線材を生かした大屋根が架けられた空間になっており
団氏の繊細な感性が表現されていました。
今回の旅を通し感じたのは、日本でのバブル以降失われた20年の間に
世界の国々の公共施設は建築デザインを発展・充実させていることで
改めてバブルの後遺症は大きいと思いました。
台中市の人口は260万人程で大阪が同規模で横浜は370万人ぐらいです。
台湾のGDPは日本の1/10程度(一人当たりGDPでは1/1.8)であるにも関わらず
大阪と同規模の人口がある台中市においてはオペラハウスを建てたり
国際コンペにおいて藤本壮介氏設計により台湾タワーの建設も始まる予定で
日本の現状と比較すると、何故そんなにお金があるのか不思議に感じてしまいます。
台中市内の新規で建てられたマンションは福岡でみるマンションよりはるかに
デザインが良く、また市内のいたるところで見かけた低層のモダンな建物は
建設会社のオフィスで日本の都市と比較するとこちらが後進国のように見えてしまいます。
日本という国は政策において実は社会主義に近く、
富が比較的全体に配分され貧富の差が少ないためなのか
それともほとんどの利益を企業が内部留保金として貯め込んでいるためなのか
世界第3位の経済大国と言われている割には
日本の都市が海外の都市と比べ、貧相に見えてしまうのは悔しく感じます。
急速な高齢化社会の到来とバブル以降のデフレによって
ダイナミズムが無くなり社会全体が矮小化してしまっているのかもしれません。
とは言え、無駄な箱もの建築を建て続け、必要のない空港を造るなど
過去が良かったとは全く思いませんが、
日本の役人はお金の使い方がうまくないように思います。
知識人としての文化・芸術・建築に対する理解が
海外の知識人に対し素養として少ない結果ではないかと思ってしまいます。
------おわり。