2014.04.21
台中メトロポリタンオペラハウス現場を巡る台湾現代建築視察 3日目 その1
きょうは、3日目の最終日。
8時半に台中のホテルを出発し台北へ。
日本統治下にあった旧台北帝大の跡地に台湾の東大と言われる台湾大学があり
その社会科学院研究室棟の建て替え設計を伊東豊雄氏がされ
クライアントの理事長と現場の台湾側施工担当より詳しい説明を伺いました。
建物は8階建ての研究室棟に平屋の図書館棟が組み合わさった内容で
研究室棟は台湾の気候を考慮して途中階に吹きさらしのボイドスペースがあり
中間階に空中庭園が配置されています。
吹き抜けに面して研究室が並ぶ最上階。
台湾には冬が無く、寒さを考えなくていいのが羨ましい!
そういえば台湾人にとって冬の北海道は人気があるそうで
だからセブンイレブンに北海道産のソフトクリームの宣伝垂れ幕があるのかも。
途中階のボイドスペースより図書館の屋上を見る------はてあれは??
ジャーーン!!きのこのような構造体の柱が林立する図書室!
開架書庫スペースとなっており柱が林立していても
書架(台湾の竹で作られている)が流れるようなカーブを
描きながらレイアウトされており、図書スペースにはこのような形式が
自然で無理がなく、間から漏れる自然光も気持ちよく
とても適合しているように感じました。
照明は左上に見える天井から吊り下げられている円盤状のプレートの上に
高照度の照明器具が仕込まれており天井に向けての間接照明によって
全体の照度を確保できるようになっています。
柱と床が一体となり梁が無いフラットスラブによる構造体を4方向の接点でつなぐことにより
全体の柱が自立しているこの構造形式は1939年にジョンソンワックス社事務所棟で
フランク・ロイド・ライトによって試みられており、建築を学んでいる者にとって
よく知られているものですが、この建物では大きさも配置もランダムであるため
もっとポエティックに感じます。
惜しむらくは、このきのこ状の柱が外部にもっと増殖して木陰のようなスペースを
造り、外部と内部の境界があいまいになっていると良かったのですが------。
屋根の排水はグループごとにドレインが取られタテ樋が柱の中に打ち込まれています。
緑色は人口芝でスプリンクラーによって定期的に散水されます。
続く-----—。