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2014.12.06

図面の山2

先日お話した図面チェックについて

建築の設計図というものが分類化されているというのは
建築は本来、3次元で立体であるものを設計図は2次元にして表現する必要があります。
そこで全体のレイアウトを示す平面図とその高さを示す立面図に分解し
それを組み合わせれば3次元になるようにしなければなりません。

また、平面図は基本的に建物を胸の高さで水平に切った断面図を意味し
立面図もその中に入っているスペースの高さを説明するために
垂直に切断した断面図が必要になります。

したがって設計図は基本的に水平と垂直の断面図と見え掛かりの集合体となっています。

さらに外構や屋根伏図、立面図は全体を真上と真横から見た見え掛かりを示し
断面は全体を表すものと個を表すものに分類されています。

断面の全体を表すものに平面図、断面図があり
全体の構成を捉えるのに適した1/100の縮尺で表現します。
なぜ1/100かと言えば、設計図を印刷で打ち出す用紙の大きさが決められており
それは通常A1,A2,A3のサイズで打ち出します。
住宅設計の場合、建物が大きくないためA2かA3のサイズであり
それにちょうど入る大きさとして/100にしています。

矩計図(かなばかりず)は断面図を下地の厚みまで詳細に表示した図面であり
個(小さな納まり)の集合体として1/20もしくは1/30の縮尺で表現し
建物全体のコンセプトを立体として捉えた場合のもっとも重要な図面です。
各プロジェクトごとのコンセプト、形態のフォルム、仕上、構造と設備の理解がなければ
描くことができないため設計事務所で修業を行っている若いスタッフにとって
矩計図を描くことができることは目標のひとつになっています。
したがってこの図面は司令塔的役割があるため、
チェックにおいては構造図を含めたあらゆる図面との整合性の確認が必要です。

また、建物の仕上げを表現するものとして仕上表があります。
外部の屋根材、外壁、外床等の外部材料の表示や内部の各室の床、壁、天井などの
材料を表記しそれ以外の共通仕様について説明を行う図面です。

次に個のパーツとして
開口部の種別、サイズ、仕様を表す建具表があります。
外部開口部と内部開口部に分けひとつひとつ姿図で表現を行います。
建具の種別(スチール、アルミ、木)、ガラスの種類(透明、半透明、厚み)、
開閉形式(引き違い、すべり出し、嵌め殺し、片開き、引戸、折戸)、
アルミサッシの色(シルバー、ステンカラー、電解着色、ブラック、ホワイト)
鍵の種別(マスターキー、シリンダー錠、表示錠、電子キー種類)
レバーハンドル、ドアハンドル、引手、つまみ等々。

さらに建物の各室を4つの面で表現していく展開図があり、
そのなかに建具表で記載された建具の姿や造作家具なども表現されます。
このそれぞれの面をみながら部屋のデザインのチェックを行います。
それは建具の高さが内部建具と外部建具においての相違がないか
また外部建具のカーテンボックスの納まりをどのようにするか
仕上表における材料以外に使っている材料の範囲が分かるように明記されているか
壁掛エアコンをどこの面に設置するか等々。

展開図は平面詳細図という平面図を1/50のサイズに大きくして小さな部分の納まりを
網羅した図面を基に作成します。
平面詳細図には開口部それぞれの大きさが明記されており
建具表の寸法と合っていなければなりません。
平面詳細図では構造上の壁及び間仕切り壁の位置寸法をすべて表示してあることで
部屋の大きさがわかり、展開図を作成することができます。
また、1/50のレベルではまだ表現できないディテールについての
キープランとしての役割もあります。

ディテールは開口部枠回りの共通詳細図、基礎回り、笠木回り、軒先部分、造作家具
浴室回り、外構の塀等々様々な詳細図が/1/5から1/10レベルで表現されます。

ここまでが意匠図と呼ばれるもので、それ以外に木造では構造図として各階伏図、軸組図
などと電気、衛生、空調について書かれた設備図があります。

構造図面は建築のコンセプトを伝えたうえで構造設計者にお願いしていますが、
チェックにおいては、意匠上問題になる部分をみつけ
構造とデザインを満たした納まりについて構造設計者と何度もやり取りを行います。

実施図面のチェックはこれらのすべての図面の寸法、書き込み文字の内容、仕上げ
タイル目地、ボード目地、照明器具等の割り付けからクライアントの要望が
落ちていないかまでひとつひとつを確認していく作業です。

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