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昨年の8月にフジテレビで放送された「若者たち2014」。
それに合わせ有線放送の日本映画チャンネルにおいて当時の「若者たち」ドラマ版全話と
映画「若者たち」、「続・若者たち」が放送され、ドラマ版数話と映画を観ました。

特に映画「続・若者たち」は、ボクが大学を出て大阪事務所に勤務していたころ
京都で自主上映され,仕事を早めに切り上げ、一人で観に行った記憶があります。
「若者たち」が1966年放送、映画が1967年と1969年上映。
当時が1979年でしたので「続若者たち」が上映され10年が経過した時代。
上映後に遅れて入ると立ち見の観客と熱気でびっくりしました。
場所は京都、かつての学生運動の本拠地ということもあってか
30代以上のサラリーマン姿の男性でいっぱいでした。

映画の中のシーンにおいて所々からすすり泣きが聞こえ、
最後はドラマの主題歌「若者たち」の大合唱となりました。
ボク達の年代(1956年生まれ)にとって若者たちのドラマについては
あまり記憶にありませんでしたが、この主題歌はずっと耳に残っていました。
当時、一体、「若者たち」とはどんなドラマだったのか知りたくて、
行ったのでした-----。

番組の冒頭に流れるザ・ブロードサイド・フォーが歌う「若者たち」は
夜明けを示すような高らかなトランペットによる
印象的な出だしによって始まります。

君の行く道は  ♪  はてしなく遠い ♪ だのに なぜ

歯をくいしばり  ♪

君は行くのか  ♪  そんなにしてまで

君のあの人は ♪  今はもういない ♪ だのに なぜ

なにを探して  ♪ 

君は行くのか  ♪  あてもないのに

君の行く道は  ♪   希望へとつづく ♪ 空にまた 

陽が昇るとき  ♪ 

若者は また  ♪  歩きはじめる

東京の下町に住む両親を亡くした一家の田中邦衛演ずる長男で
建築作業の仕事をしている太郎を中心とした5人兄弟の物語。

橋本功演ずる次男で角刈り頭が似合うトラック運転手の次郎。
山本圭演ずる三男で家族のなかでもっともインテリ学生で学生運動をしている三郎。
佐藤オリエ演ずる長女で工場に勤務している女工のオリエ。
松山省二演ずる四男で予備校生の末吉。

この5人が織りなす群像劇に当時の世相を反映させながら
封建的家父長制度の最後の生き残りのような太郎によって
衝突を繰り返しながらも家族崩壊寸前の瀬戸際のなか
家族としての兄弟愛が描かれています。
当時、核家族化に向かっている世の中の流れにおいてそこが感動的でもあり
労働争議、学生運動などの社会問題に対し
真摯に向かい合ったドラマだったと思います。
この家族の中での出来事が当時の社会の縮図であり
そのなかでの苦悩や葛藤は社会体制批判とつながったダイナミズムを感じさせました。

映画「続若者たち」が上映された年は、東大安田講堂事件と重なっており
国家権力の介入による学生運動の挫折感というものが
山本圭演ずる三郎を通して反映されているように思います。
当時の学生たちが信じた社会正義としての使命感は純粋であったかもしれませんが
その独善性によって次第に世の中に受け入れられなくなります。
そのような現実との狭間で苦悩する三郎を救うのは身内としての兄弟愛でした。
映画の中のシーンの挿入歌として「昭和ブルース」が流れます。

うまれたー時がー悪いーのかー ♪ それともー俺が悪いーのかー ♪

何もーしないでー生きてーゆくならー ♪

それはーたやすいーこーとーだけーどー ♪

この世にー生んだーお母さんー ♪ あなたのー愛にーつつまれてー ♪

何もー知らずにー生きてーゆくならー  ♪

それはーやさしいーこーとーだけーどー  ♪

なんにもーせずにー死んでゆくー ♪ おれにはーそれがーつらいーのさー ♪

とめてーくれるなー可愛いー人よー ♪

涙ーながれてーくーるーけれどー ♪

見えないー鎖がー重いーけどー ♪ 行かなきゃーならぬーおれなーのさー ♪

だれもー探しにー行かないーものをー ♪

おれはー求めてーひとりーゆーくー ♪

時代はどっぷり昭和でした------。
そういう1966年の「若者たち」に対し、「若者たち2014」は何を描こうとしたのか。
僕たちノンポリとして学生時代を過ごした世代として
このドラマに対する学生運動や労働争議を経験された
上の世代の感想が知りたくなりました。

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