2016.08.25
中部・北陸3日間建築ツアー3日目 その2
さて21世紀美術館の周囲を開館時間の10時前に歩いてみました。
(こちらがメインエントランスがある正面で裏手に市役所が道路を挟んで対峙)
妹島さんは建物の外観スタディ模型を何百個と造るらしいですが
展示室が箱となって飛び出している部分の箱の重なりが
1周してみて必ずしも美しく配置されているようには感じませんでした。
箱型の展示スペースをひとつの円によって取り囲み、
余白が通路だったりギャラリーなどになって外部空間のランドスケープに
繋がって行くようになっています。
(この曲面ガラスには微妙なニュアンスの霞がかかったようなフイルムが
貼られています)
(たぶん東からのサブエントランス、開館時間以降は誰でも通り抜ける
ことができるようになっています。)
通路スペースには所々に有料でしか入れない通路入口に開閉できる
ガラス框扉が設けられており、この部分の開閉操作により
展示室への順路を変更できるようになっています。
(無料で通行することができるホールから観た外部ランドスケープ
緩やかな起伏のなかに建っているのがわかります)
高さが4m以上ある巨大な曲面ガラスをタテ枠なしで支えることができている
大変な技術だと思います。ここの見せ方がこの美術館の重要なポイントで
真っ白な箱状の展示室が透明感のあるガラスにより
円形に囲われており、強い象徴性と求心力を感じます。
(巾2.5m、高さ4mの無料で通ることができる通路スペース)
開かれた美術館としてこの通路スペースを挙げることができますが
スチールでできた壁仕上げの空間を延々と歩くだけで
通路スペースからは展示スペースなどは意外にも見えません。
妹島氏は複雑なプログラムや形をミニマムに美しく造ることができるとともに
常に外に対しどのように開くのかを思考している建築家だと思います。