2017.03.20
二つのオープンハウス
3月5日と19日と同じ建築家による二つの住宅のオープンハウスに
行って来ました。
設計は矢作さんのOBである松本君。
二つともプロトハウスさんよるプロデュース物件。
5日は場所が北九州小倉北区で19日は福岡市中央区平尾。
どちらも構造設計を東京の全国的に著名な名和研二さんに依頼。
北九の物件は床面積が30坪のミニマムで松本くんらしい2層の直方体の建物。
一見2階にはどこにも窓がないように見えますが直方体のなかに2階外部デッキ
スペースを取り込んでおりそこに面して開口部が空けられています。
i以前からプロトハウスさんが試行されてきたブルースカイミーティングという
心理テストによって家づくりをされる方のニーズを
把握しながら依頼主と作り手との共通認識を深めていく方法論をベースに
今回、ワークショップという形で実現された建物で
プランのベースはそこで見出され、その後、建築家の手を経て具現化されています。
1階の長手プランの半分がほとんど開口部のため8cm角程度の鉄骨柱で
支えながらも鉄骨と木造の混構造による適合判定にはならずに通っているとのこと。
耐震壁は同じ並びの寝室部分に取られているだけであとはすべてオープン。
残念なのはそうしながらも開口部のアルミサッシが少しごついため
ボクでしたら木造の柱にして、たて框を柱に被せることで鉄骨なしで
納めていたかもしれません-----—。
内部の仕上げは天井も壁もほとんどシナ合板になっており扉枠も省略されています。
照明やスイッチ、水栓金具などクライアントのこだわりが
いたるところに込められた住宅でした。
次に19日の平尾の住宅。
これは鉄骨とコンクリートと木造による混構造で適合判定になったとのこと。
松本君の執念を感じさせます。
平尾の高級住宅街にある敷地は傾斜地を擁壁によって造成され売られていた
そうで道路から擁壁の高さがかなりあるため、オープンハウス当日は
車で回っても建物が上の方に建っており視界に入らず
探すのに苦労しました。
建物は建て込んだ住宅地の中において擁壁上の建つ住まいからの視界の開き方が
テーマになっているようでした。
1階玄関、和室、2階書斎グループと1階LDK,寝室、サニタリー、2階子供室
の2つのグループが切り離されそれぞれ廊下と渡り廊下で接続されているプラン。
隣地既存擁壁に対する防護的なコンクリート壁の採用や
構造上必要となった一部鉄骨造の選択により基本は在来木造でありながら
複雑な混構造の建物になっています。
1階リビングの接地性にこだわったプランで
クライアントの意向もあるためわかりませんが
ボクだったら道路レベルまでエレベーターを設置する方法を検討し、
2階をリビングとして外に大きく開いていくような提案をしたかもしれません。