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連休の最終日に東京から帰省している長男と最後の日曜日だけ休みが重なった
妻の3人で近所の福岡市博物館で開催されている「ポンペイの壁画展」に
行って来ました。

ポンペイは西暦79年にヴェスヴィオ火山の噴火により火山灰等で埋没し、
長い間忘れさられていましたが18世紀半ばに発見され今も発掘調査が
行われています。
79年と言えば、イエス・キリストが亡くなったのが西暦紀元30年と言われており
亡くなってから50年ほどしか経っていない時代でもあり
また、ローマのコロッセオが出来たのが紀元80年であって
とても近い時代に封印されたこの壁画を見てみると
非常に感慨深いものがあります。

ローマ美術史において絵画はほとんど残っておらず、
ヴェスヴィオ火山の噴火によって消滅した周辺の都市遺跡からしか
確認するしかない状態らしく今回の壁画展は貴重な展覧会だと思います。
残っていない理由としてしっくいを下地にしたフレスコ画による壁画が
主流であったことや当時、絵画は彫刻よりも価値が下に見られていたことも
あるようです。

今回の展覧会における目玉の一つとしてエル・コラーコから発見された
「赤ん坊のテレフォスを発見するヘラクレス」等の一連の絵画には
呆気に取られてしまいます。
15世紀以降に排出するルネサンスの巨匠たちよりも1400年も前に
すでにこのような絵画が描かれていたとは驚きです!

マザッチョ、フィリッポ・リッピ、カラパッチョなど初期ルネサンス期の画家
たちはもちろん、この肉感的な表現などはミケランジェロが見たら
一体、どのような影響を与えただろうかと思ってしまいます。

当時の邸宅の居室に描かれた壁画には遠近法を使用しただまし絵も
数多く描かれており、17世紀にパラディオ設計によるテアトロ・オリンピコが
遠近法を利用した舞台建築として有名ですが
バロック建築においては建築空間に組み込まれ盛んになります。

約2000年前の建物の姿や生活なども壁画を通し垣間見ることができ
人間そのものの在り方は変わっていないように感じました。

      

    

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