2017.12.23
37年前のボク
年末のアトリエの大掃除をしていたら
1冊の古いスケッチブックを見つけました。
大学を卒業して2年目に同級生と初めての海外旅行を計画。
まだ先が見えない悶々としていたなか
海外の建築を見てみようと思い立った旅でした。
その本の最初のページに12月27日の日付で日記が書かれていました。
37年前のボクですが
恥ずかしながらその綴られた一文をご紹介。
12月27日
「今日はとにかく疲れた。
今、パリのホテルの部屋のデスクでこの日記を書いている。
この部屋は、パリのホテルらしい部屋で花柄模様の壁紙が貼ってあり
ベッドカバーとカーテンはローズ色だ。
僕らの部屋の窓からはユトリロの絵に出てくるような街角とともに
遠くエッフェル塔を望むことができる。
今日は不安と安堵が交錯した刺激に満ちた一日だった。
心配した税関チェックも全くあきれるほど簡単に終え
シティターミナル行きのバスに乗った時は
白みはじめた空のブルーな空間に
ぼんやりと浮かんでいる建物を眺めながら、
僕の胸はこみあげてくる感動でいっぱいだった。
しかしその喜びもたちまち不安に変わった。
滞在するためのホテルを4軒ほどあたったのだが
すべて断られ途方に暮れた。
〇〇の他力本願を拒否する姿勢は、
僕がもっとも見習わなければならないところだが
この際、仕方がないため、
僕の提案によりパリ三越のトラベルセンターにホテルの部屋を取ってもらうことにし
こうしてやっと落ち着いた次第である。」
懐かしいなあ!いよいよ始まる旅の行方の1ページとして綴ったものでした。
スケッチブックにはその後向かった南フランスのベルフォートという片田舎にある
ル・コルビジェ設計のロンシャン教会が描かれていました。
この時は当然ながらカメラも持って行っていましたが
このロンシャンだけはスケッチに留めようと考えていたのだろうと思います。
ロンシャン教会内部、有名なステンドグラスのある壁ではない方向がえがかれており
どうしてこの方向だったのか思い出せません。
大掃除のお陰で昔の自分にタイムスリップした気分になりました。
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