2020.12.17
箱と庇
今日も風が強く、寒い冬の日でした。
北九州市の八幡H PROJECTの現場へ行ってきました。
上の写真は建設敷地に隣接する駐車場から撮影したものですが左手が敷地の前面道路で
右手が道路から見て敷地奥に建つ8階建てのマンションです。
この敷地は唯一この駐車場側が開けており、また敷地内の建物からは南西方向がこの駐車場を
通し抜け感があり山も眺めることができます。
建物は変形した敷地内においてそのような環境条件に対応しながら
分節化した箱がずれながら配置されています。
施主からは外壁が汚れないように庇を設置して欲しいとのご要望が当初からあり
分節化した箱と庇をどのように折り合いをつけていくか検討テーマになっていました。
和風建築は雁行配置に傾斜屋根をずらしながら重ねていく形態になっており
平屋建ての場合は美しいのですが、
2階が載ると形をまとめるのにかなり難しくなります。
それはこれまであまり経験がないため、箱から庇を出してまとめることにしました。
(むかし建築学生の時、担当教授から箱と庇はデザインが難しいと言われたことがあります)
箱に庇については、当アトリエが設計した観世音寺の家も太宰府市の景観条例による
制約によって導き出された形となっています。
また庇はこの住宅の場合、裏のマンションからの見下ろしやリビング・ダイニングルーム
から外部の開かれた方向へマンションが視界に入らないようにできる解決方法としても
最適な解であると思っています。
(リビング・ダイニングルームの空間、左手に中庭を挟んで隣地駐車場)
先月末に上棟、中に入って周囲の見え方を確認、想定通りの遮蔽と開き方で取り合えず
安心しています。