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内部は塔状のコンクリート打ち放し部が3層になっており

1階がポーチ、エントランス、サニタリー、トイレ、ボイラー室、階段

2階は和室、宿泊室、階段、3階に2段ベッドのある宿泊スペース及び倉庫

そして2階に木造で持ち出されたスペースがLDK、外部テラスの構成で

延床面積87.9㎡(26.6坪)のコンパクトな広さです。

 

外部テラスからみたLDK

 

 

 

1階から上がるとこの景色が拡がります。キッチン回りは排気フードも含め全て

建築工事による造作で製作されています。

窓外の手摺は景色の邪魔とならないようにかなり低めの高さに抑えられています。

 

 

 

 

 

 

 

LDKからコンクリートボックス内にある和室開口部を見たアングルで開口下部のガラリ内に

床置きエアコンが設置されています。

手前にさりげなく置かれているこのパーソナルチェアとフットスツールのセットは

田中氏夫妻が経営するバニラ所有の北欧プレミアム家具

 

 

こちらのチェアもプレミアムな一品

宮脇事務所の元スタッフで著名な建築家である椎名英三氏が見学に来られ

背面にある雨戸は当初、格子戸だったとの指摘を受けたそうです。

 

 

 

 

 

 

 

2階和室は南面の外部テラスとリビングに面しそれぞれに開口部が設けられています。

押し入れを上げたのは床の間を取る為ではなく、寝るスペースの確保かもしれません。

 

 

 

3階に取られたロフト状の宿泊スペース、ここへは壁に垂直に取り付けられた

はしごで上がります。2段ベッドが方向を変えて組み合わせられており

下部をうまく押し入れとして納めてあります。

 

 

 

宮脇檀38歳の作品で独立後10年目、ローコストで切り詰めるところを心得た

作り慣れた感じでもあり建物が造られた時代の雰囲気を感じ取ることができました。

 

 

 

 

田中夫妻が運営する会社の研修施設は同じ敷地内に絶妙な距離感と向きで

配置されています。

地元で活躍されている建築家の方に頼まれたそうでプランを末広がりとすることで

前面からの大きさを抑えヴィラ福村邸に対して目立たないようにしているそうです。

 

 

スタッフのための研修スペース

 

 

 

談話スペース(北欧家具で統一されています)

 

 

 

和室入口

 

ここで暖かいコーヒーを頂きしばらく歓談

今回の保存に至る経緯を詳しくお聞きしました。

印象的だったのは、自分たちの持ち物としてではなく次につなげていくために

預かっているという姿勢で素晴らしいと思いました。

今後の運用方法については試行錯誤しながら見つけていかれると思います。

 

さて次は彼女の運転で宇都宮へ

当初、餃子好きのボクのスケジュールはお昼の食事として

宇都宮餃子を2軒はしごする予定でしたが

時間が足らなくなった為、田中家の行きつけの中華料理屋で餃子を食べ

その後、vanillaのお店を見せてもらうことに。

 

 

午後より雨が降り出し、外観の写真が取れず残念でしたが、

元々銀行の支店 だったところを買い取り、彼女が全てデザインし家具のショールームに

改装したそうです。左手に見える階段は改装後、新規で設置したもの。

正面は支店の1階の天井高さが高かったのを利用しロフトとし

展示用の椅子が並べられています。

右手前には金庫室があります。

 

 

金庫室は当初撤去の予定だったそうですが、コンクリートの壁厚さが半端ではなく

相当な費用が発生することから急遽変更し

チャールズ・イームズ夫妻のメモリアルルームとして活用されています。

 

 

元金庫室の内部

 

このリニューアルは元々あったものが彼女のセンスにより別の用途として

随所に再利用されており非常に面白いショールームでした。

とにかくとても謙虚、謙遜してさりげなく話されていましたが

ご主人との二人三脚でここまで会社を大きくし、

経営とデザインと主婦業をこなしてきた彼女を当アトリエの元スタッフとして

誇りに思えとても嬉しい気持ちでいっぱいになりました。

その後、宇都宮駅まで送ってもらい新幹線で東京へ。

午後7時20分発の最終便で福岡へ帰りました。

 

二泊三日の駆け足旅でしたが最後まで密度が高く

とても充実した面白い三日間でした。

 

 

 

 

 

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