BLOG

2013.03.07

永遠のゼロ

最近、テレビ番組「そこまで言って委員会」に時々出演されている
作家の百田尚樹氏がさかんに自己宣伝されている
「永遠のゼロ」をアマゾンで購入、早速読んでみました。

老眼になってからここしばらく本を読むのがおっくうになっていましたが
読みだすと止まらず、寝る前のベッドの中、さらには湯船に浸かりながら
一気に読み、素晴らしい感動が込み上げるとともに
主人公である天才ゼロ戦パイロット宮部久蔵の生き様を思うと
涙が止まりませんでした。

この本の主人公は架空の設定ですが、
その人物を取り巻く時代背景や海軍航空隊の
歴戦のパイロットたちはすべて史実であり
特攻作戦の必然性に疑問を持ち、
国家のためではなく愛する妻と子供のために戦い続けた男の物語として
死んでいった数多くのパイロットたちのなかに
もしかしたらこのような別の勇気を持った
パイロットもいたかもしれないというリアリティを感じさせます。

物語は、現代から始まります。
特攻隊員として死んだ祖父がどんな人だったのか
雑誌の企画が発端で姉の手伝いを頼まれた弟とともに
祖父と関わりのあった生き残りの人たちを尋ね歩きます。
太平洋戦争の真珠湾からミッドウェー、ガタルカナル、マリアナなど一連の海戦を
戦い抜きながら最後になぜ特攻隊員として志願したのかその謎について
次第に本人の実像が浮かび上がっていくという構成になっています。

そのなかでは一連の戦いの経緯、ゼロ戦の持つ高い戦闘能力やそれを駆使しての戦い方、
特攻作戦の発端や経過、その非現実的事実、アメリカ軍の対応など
ゼロ戦で戦ったパイロットたちの現実が詳細に述べられながら
国のために戦うことと愛する家族のために生き残るという
苦悩を抱えた主人公の行動が証言者たちによって語られます。

この物語において特徴的なことは、主人公の内面については一切語られず
あくまで第3者的視点によって人物像が語られていることであり
それがかえって読む者にとり主人公の心のなかの苦しみに
思いを馳せることとなり感動を生んでいるのだろうと思います。
みやべー!!死ぬなあー!、みやべー生きててくれー!と叫びたくなります。

今年の12月には映画化され上映予定です。
監督は「ALWAYS 三丁目の夕日」の山崎 貴氏ですので楽しみです。

(あくまで戦争の話がベースですので全く知らない方、興味のない方には難しいと思いますが
文庫本で160万部を突破しており、50代以上の男性は絶対お勧めです。
できれば若い世代にも読んでもらい勇気について考えるきっかけになればと思います。)

“永遠のゼロ” への2件の返信

  1. SECRET: 0
    PASS:
    啓蟄も過ぎ、柔らかな日が続いていますね。
    2年ほど前にこの本を読みました。引き込まれ、涙したのは私も同じで、今の若い世代にも読んでほしいと思った一冊です。百田さんの「影法師」や「モンスター」も好き好きはあると思うけど、中々の力作でしたよ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA