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2007.09.13

草野球

昔の映画で山田洋次監督「幸せの黄色いハンカチ」というのがありますが、
その中のワンシーンで映画初出演の武田鉄矢 扮する青年が、桃井かおり
演ずる女性にしつこく迫るシーンがありました。
主演の寡黙な役の高倉健が、見るに絶えずボソッとひとこと言います。
「いいかげんにせんかい!お前のようなヤツを草野球と言うったい!」
きょとんとする武田。
「先輩!草野球ってどげん意味ですか?」
「ミット モ ナイ!ということたい」

きのう、安部総理大臣が突然、辞任表明をされました。
タイミングがあまりにも悪く、草野球といわれても仕方ありません。
もっとも恥ずかしい思いをされておられるのはご本人だと思います。
病気が本当の理由という話もありましたが、今日の病院の会見では
それほど深刻な病状でもないように思われますし、精神的なプレッシャーが
大きな原因のように感じます。
「君主論」を書いたマキアヴェッリ(昔、一度読みましたが全く憶えていません)
に詳しい塩野七生さんだったらどんなコメントを出されるか聞きたくなりました。
どなたかある識者が論評されておられましたが、政治的経験をあまり積んで
おられないまま、トップになられたため、様々なシチュエーションでの臨機応変の
対応が後手に回ってしまった。もっといろんな方法があった筈だと。

これは、われわれの職業でも同じようなことが言えるような気がします。
経験というのは、場合によっては斬新な発想を邪魔する場合もありますが、
いろいろな選択を可能にするものでもあります。
しっかりとした基礎を焦らず地道に築き上げることも必要です。
若い人はデザインばかりに目が行きますが、草野球と言われないように
基礎を固めましょう!苦労をしたほうがいろんな経験が積めます。

ところで、当アトリエのO Residenceがローマの建築サイトに紹介されています。
興味のある方は、下記アドレスをクリックしてみて下さい。

http://www.europaconcorsi.com/pro/Kazuhiko-Oishi-

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