2014.06.17
コンペの作品講評
4月25日に行われた第2回建築勉強会での懇親会で
田中俊彰さんが当アトリエのスタッフに
コンペに勝つためのポイントについてのお話をされているのを聞いたところ、
田中さんは過去、山口の中原中也記念館のコンペにおいて2等、
京都の小野小町記念館で1等を取られており、
中原中也コンペの授賞式後の懇親会において
審査委員からたくさんの応募案のなかから選び出すコツとして
本当か冗談かわかりませんが応募案を一束にして遠くへ向かって投げると
重い上等な用紙を使っている案は本気で取りたいと考え用紙にも気を遣っている案で
他の薄くて軽い用紙の案より遠くに飛ぶそうでその中から見て決めると言われたそうです。
それで小野小町のコンペ時に重い用紙を使ったら1等だった!ということでした。
ちょうど当アトリエも東日本ハウスのコンペ作業を行っているところでしたので
その言葉を信じて、キンコーズにある用紙の中からA2坂1枚6000円という
もっとも高い用紙に印刷して臨みました。
この用紙はこれまで見たことのない変わったもので
裏側から見ると印刷されたものが半透明で見えるシート状のもので
厚くはありませんがテラッっとしていながら重さがあり
微妙な色彩も全て問題なく印刷されていました。
このたび、田中さんの嘘のようなホントのような話を証明する形で2等となりました。
田中さんに感謝!!
今回、コンペの審査委員長が堀部安嗣さんということもあり
応募を決めた理由にもなっているのですが、
スタッフの松尾さんが持っていた『堀部安嗣の建築』(TOTO版、2007年)を読み込み
プランや考え方などについてとても参考になるとともに勉強になりました。
光と影、奥行、間合いなど彼自身が撮影された住宅のなかの生活のシーンには
何気ないなかに、いやらしさを感じさせない静かな趣というものが感じられます。
プレゼンテーションの方法については、スタッフとディスカッションを行って
説明的になり過ぎず詩的なものが表現できればと考えました。
入賞作品を見てみると結果的に思惑が見事に外れ
説明が少ないにも関わらずよく選ばれたなと思っています。
ただ、実際の審査ではA2サイズで見られるため
パースなどは全体とのバランスを考えわざと小さめにレイアウトしており
A2サイズでの確認において見づらくない程度にとどめています。
(A3の縮小で見るとかなり小さく見えますが—-)
それとちょっと自慢するとすれば模型は1/100の縮尺モデルで小さいですが
屋根の部分を4ミリ巾の短柵状に切ったものを2ミリほど重ねながら
段葺きと同じように貼っているため画像を大きく拡大した場合に
屋根の存在にリアリティが出ていると思います。
また、模型写真の背景は青空と雲が写っているのですが
色味を抑えるために白黒にしています。
最優秀作品を見てみると選定条件のポイントとして商品化がもっとも重要視されているようで
堀部さんのイメージと和×モダンというタイトルによって、当アトリエも含めみなさん
商品化よりもそちらの方にウエイトを置いていたのではと思いました。
商品化であれば3年前に当アトリエが提案している
マキハウスの商品化住宅CASA CROSSがあり
最優秀賞のプラン構成は基本的にCASA CROSSの考え方と同じです-----—-。
東日本ハウスデザインコンペ審査講評
http://www.higashinihon.co.jp/topics/201403compe/sohyou.php
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作品を拝見させて頂きました。大石様のHPを見る限り珍しく「寄せ棟」の建物に驚きました。しかしプライバシーを守りながらも縦の開放感があり何となく私達が求めているバリのヴィラを感じさせられるものにも見え「和×モダン」が凄く表現されていると思います。(バリは和ではありませんが、アジアンという括りで捕らえてみました)
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そうですね!寄せ棟は篠栗の家で1回使っており
Facility Hatは入母屋という屋根形状になります。
この建物の屋根は方形(ほうぎょう)という屋根形式で
プランが正方形の時に使います。
コメントありがとうございます。