2015.08.03
立ち上がり3cmの攻防
現在、基本設計を進めています甘木プロジェクト。
完全分離の2世帯住宅で先週、子世帯のキッチン周りの打ち合わせを薬院にある
オーダーキッチンのリブレで行いました。
キッチンの配置ついては奥様の希望でシンク側とコンロ側が2列に分離した
並列プランで最近のクライアントの要望では珍しい配置となっています。
もともと並列タイプは流しの後ろにコンロがあり動線的は動く距離が短く
大変使い勝手が良い配置なのですが、流しで洗った材料をコンロに運ぶ際に
水が床に落ちるのを嫌がられる方が多く、これまでなかなか実現しませんでした。
排気フードが後ろにくるため壁の中に隠すこともできデザイン的にもメリットがある案です。
今回の打ち合わせでは配置については固まり、
ダイニング側に向いているシンク付カウンターをフラットオープンとするのか立ち上がりを
付けるのかでご夫婦の意見が分かれました。
カウンターうえに作業上いろいろなものが出てくるため、
立ち上がりを付けたいと言われる奥様と
立ち上がりはダイニングからみると圧迫感があるため止めたいと主張されるご主人。
現実派対ロマン派の対決は
我が家を含めこれまでほとんどのクライアントにおいての構図で
逆に女性でロマン派という方はほとんどいないような-----。
立ち上がり高さをカウンターより14cmにしたいと言われる奥様と
立ち上がりは11cmまでと言われるご主人。
ご主人からは面白いアイデアが出され、これまで立ち上がりのデザインが
決まっていた設計者としては考えさせられる発想で取り入れてみたいと思いました。
ショールームでの3cmの攻防は、両者一歩も引かれず次回持ち越しとなりました------。
ご本人たちは真剣だと思いますが
ボクには幸せなひと時のようにも感じられました-----—。