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2008.04.18

建築家冥利

三月に竣工し、お引越しをされてだいぶ落ち着かれた篠栗の家の施主より
ありがたいメールをいただきました。
奥様のお友達が新居を見に来られ、とても嬉しいメールを頂いたとのことで
ご紹介します。
「ただ単に素敵と言うより—-洗練されているのに暖かいというか
シンプルなのに殺風景じゃないというか、何とも言えない
居心地のよいお宅でした。
お天気の日のデッキもとても気持ちよさそうでした。」

改めてこの奥様のお友達の感性に脱帽します!
一般の方は普通、素敵という言葉でしか表現できないところを
もう少し噛み砕いて言葉にされているところに、施主の奥様のまわりのお友達の方々
にも素晴らしい方々がいらっしゃることがよくわかり、さすがだと思いました。

洗練されているのに暖かい—-含蓄のある表現で、作り手としてこうありたいと思いながらも
なかなか難しく、洗練されてて冷たくならないようにするには、どうすれば良いのか
方程式を知っている訳でもなく、正直言ってまだよくわかっていません。

シンプルなのに殺風景じゃない------空間の拡がりが、天井の高さとの関係で
程よくのびやかな印象を受ける中、リビング・ダイニングスペースにおける書斎コーナーと
スクリーンが空間に適度な文節をもたらし、重要な役割を果たしている結果だと思います。
この文節については、建物全体を貫くコンセプトになっていますので、
コンセプトそのものに極めて必然性があったことを証明されたようなものです。
本来、コンセプトは、建築家側の観念論で決めるものではなく、住宅としての感じ方を
住まい手側に立って、新しく提案することでいいんだということを実感しました。
それが、気持ちよさにつながっていくのであれば、コンセプチュアル=冷たいという
先入観を拭い去ることができます。

とにかく、建築家冥利に尽きるお言葉で、担当のヒラノともども大変嬉しく思いました。
Kご夫妻さま、ありがとうございました。

“建築家冥利” への1件の返信

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    「建築家冥利 」良い話ですね。先日のコメントありがとうございます。そんな日が来るのを楽しみにしてます!!!

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