2009.06.22
そこまで言って委員会
毎週、日曜日、福岡では1時半よりあっている大阪の討論番組「そこまで言って委員会」。
きのうは、そこに建築家の安藤忠雄が出演されていました。
並み居る文化人の論客たちも世界的建築家である安藤の風圧に
押され気味でさすがでした。
高卒で東大の名誉教授、元ボクサーであらゆる難題を闘志で戦い抜いてきている人は
常に説得力があり、鋭い眼光にみなさん威圧されていました。
実行力を伴った闘う建築家として世界的名声を勝ち得ている凄みには、
軟弱な文化人にとって論破できない存在であり、彼らのあらゆる質問に対し、
実にうまく切り返していました。
政治評論家の三宅さんが、地方に行くと丹下健三氏が手掛けた建物が数多くあるけれども
どれも使い勝手とか評判が悪く、東京都庁舎も雨漏れの修理など設備的な不備で
多額の修理費で物議をかもしている。建築における権威についてどう思いますか?と聞けば
丹下さんは、国の威信を賭け、数多くの建物を手掛けられ日本の高い技術力と芸術性を
世界に示された方で、少々雨が漏ろうと当時の国民の気持ちを奮い立たせた建築家です。
日本人は権威に弱く、文句を言わない。
権威ある人たちに発言する人がいなかったのがこの国の大きなまちがいです。
でも安藤さんもすでに権威があり住宅を建てる人に闘って住むことを押し付けているのでは?
住宅を建てる人と、とことん話し合い、あくまで共同作業としてお互いの考えを
ぶつけ合いながら住まい手に住むための責任を求めているだけです。
自分は大学に行っていないぶん、人一倍勉強をしなければと覚悟を決め、
京都大学や阪大の授業に使われている教科書を買って、一日15時間読み漁った。
大学の4年間でやっていることを1年間でやろうと思った。
学歴がなく自分みたいになりたいと相談に来る人がいるけれども、
覚悟がないやつは全く駄目でなれる筈もない。
覚悟は子供に教え込まなければならない。
東京大学の教授に就任するに当たり、周りがみな反対するなか
当時サントリーの会長である佐治さんに相談すると
おまえは止めとけ! いじめられるだけやから
おまえは建築しかできない、向こうは勉強しかできない、だから接点がない!
と言われた。
自分はあくまで学生と共に勉強したいと思い、なった。
実際なってみると自分より学生の方が知識が豊富だった。
そのかわり、勘が悪い、感性がない、行動力がない。
かれらは、勉強をしてきた結果、忍耐力はありますが
いつも一番できたから協調性はない。
自分中心でこういう人が一杯集まって国をやっているのであぶなっかしい
などなど。
久しぶりに安藤節を聞きましたがお元気そうで是非、東京オリンピックを
成功させて欲しいと思いました。