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近所の住宅が解体されることになり通りがかりに毎回進行状況を見ていると

たぶん専門家にしかわからない興味深いことが見えてきました。

 

この住宅が凄い技術で造られていることに驚き!

・建物中心に100mm角の角パイプが1本だけ建っており

それ以外は全て外周部にあるだけの簡潔な構成

・2階床を支える梁の高さ(梁成)の薄さ

・屋根部分の梁は鉄骨の細い部材によるトラス構造になっている

 

 

 

中心の柱に接合している梁はおそらくH型鋼だろうと思いますが

両サイドに2階床の荷重を受ける根太材の受け材として軽量のC型鋼が沿わされています。

丸穴の意味は軽量化のためなのかよくわかりません。

 

 

むかしのプレハブのため外壁まわりは非常にシンプルで開口部の両サイドに開口補強用の

鉄骨がありそれ以外は軽量鉄骨のライトゲージスタッドが立てられています。

壁はサイディングもしくはフレキブルボードのみで外部は直接それに吹付の仕上げがある

だけで通気層などもなく、今の木造住宅の方がもっと複雑になっています。

 

木造もこんなに簡潔に造ることができれば楽なのですが——–。

 

 

2021.02.07

クーちゃん

 

新規の住宅のご面談で北九州市の小倉北区に行って来ました。

奥様の膝の上でおとなしくしているトイプードルのクーちゃんがあまりにも

かわいいので思わず撮らせていただきました。

赤ちゃんの時は毛並みは黒だったそうですが

ゆくゆくはグレーになると言われていたそうで

見事にきれいなグレー色の毛並みです。

何だかうちも飼いたくなりました。

 

 

 

これまでのブログにおいてはじめてのワンちゃん登場!!

オオイシさんも変わった!と突っ込まれそうですが

コロナ禍のいま、オジサンも癒されるのです!!

 

 

最近、当アトリエからの施工依頼が少なくなり

仕事でお会いする機会がない筑羽工務店のハタさんですが

個性豊かな方なのかボクの夢の中には頻繁に登場します。

 

そんなハタさんから連絡があり、ボクが設計した物件が上棟したので

見に来て欲しいとのことでした。

「オオイシさん!!奥さんはすごくきれいか人でなんかストリッパーとか

いいよんしゃったですよ!!」と電話口から例の大きな声が聞こえてきます。

ェッ!ストリッパー?そんなこと聞いてたっけ?と思いながら現場へ向かいました。

 

敷地は白い波しぶきがあがる岩礁のある国定公園に指定された場所の砂浜にあり

勾配屋根のついた建物の一部が低く海側に向かって突き出しています。

建物のプランをみると中に円形スペースのようなところがありここでストリップの

練習をされるのだろうかと思っていると

建物の中からジーパンをはいてすらっとした細身の女性が出てきました。

顎がとがって目の大きな鼻がつんとした

アメリカの女優ミッシェルファイファー似の魅力的な方で

「ハタさんから聞かれたかもしれませんがワタシ、ストリッパーなんです」と言われ

中に案内されました。

 

内部は何故かもうほとんど出来ており、棚板の上に大きならっきょが入るような瓶が

無数に並びキラキラしています。奥さんがそのひとつを取ってこれスタンドなんですと言われ

これと同じものをここのブラケットに使いたいと言われました。

こんなものブラケット(壁灯)に使うのは大きすぎてイヤだなと思いながら

まわりをよく見渡すと色々なところが自分の指示ではない納まりでできています。

「ハタさん!!上棟と言いながらもうほとんど出来ているじゃないですか!

ボクに確認せず勝手に進めて困ります!」というと

「ハハハ、よかです、よかです!」とハタさんが笑って答えてきます。

 

現場が進んでしまっている責任を感じながら急にどうしよう?と思う気持ちが

込み上げてくる中——-疑問が湧いてきました——–。

 

あれッ?なぜ施主を知らないのか、設計前に敷地を見ていないのか、

設計プランの丸いステージのような場所を設計者である自分が知らないのか

上棟から完成まで現場が進んでいることを全く知らないことなんてあるのか

ましてや奥さんがストリッパーなんて——-

 

そこで目が覚めました———。

 

(筑羽工務店のハタさんは勝手に物事を進めていくような人ではありません、これは

進行していく現場に対して設計者、監理者として物事をタイムリーに決めていく責任に

対する不安からの夢だと思います)

 

それにしてもストリッパーなんて何故なんでしょうねえ——–。

 

 

 

 

 

ホームページに新規物件(八幡西区 M PROJECT)をアップしましたので

ご興味のある方はご覧ください。

 

 

 

 

 

施工は久木原工務店

 

撮影はテクニスタッフの岡本公二さんです。

2021.01.26

OBたちの活躍

 

本日発表された第33回福岡県美しいまちづくり賞の住宅の部において

当アトリエ出身の角大輔くんが「楽市のアパートメント」において優秀賞!!

 

福岡県建築住宅センター理事長賞において当アトリエ出身の有吉弘輔くんと角くんが

「いろどり整骨院/住宅」のリフォームを共同で受賞!!

 

以前同賞において大賞を受賞した西岡さんに次いで当アトリエ出身が3人目となりました。

元師匠として大変嬉しく思っています。

 

両プロジェクトともオープンハウスで拝見させて頂きました。

色々と突っ込みどころはありますが、今回の審査員講評を読ませていただくと

最近、自分が昔に比べ次第に完成度を求め過ぎていることに気づかされます。

大きな切り口での社会的背景に対する若手らしい挑戦を評価されていることは

とても参考になりました。

そういえばボクはむかし、福岡の建築家は発想より完成度を求め過ぎ、

みんなうまくなろうとしていると批判してたんですが———。

 

元OBでは平野公平くんが本来もっとも賞が取れる力量があり

素晴らしい建物を造っているので期待しています。

 

元OBの藤山さんは現在、東北大学の助教 で今年、シンガポール大学に留学の予定。

 

最初のスタッフの田中由香さんは60年代のビンテージ家具ネットショップで大成功し

東日本ではハーマンミラーやイームズの家具をもっとも多く扱っている

会社のオーナーとして活躍。

最近では、宮脇檀が設計した別荘を買い取り、元の姿に修復する事業なども行っています。

 

また松尾さんや田川さんもとても優秀な人材でしたので是非頑張って欲しいと思っています。

 

通常ならこんなに優秀?な弟子を輩出している設計事務所なら就活で

建築家志望の学生がたくさん面接に来そうですが

だーれも来ません——。

大きな会社で安定した給与をもらい、大きな仕事をしながら

不安のない人生を送るという生き方が昔に比べより主流になっているのかもしれません。