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2007.11.01

基礎

最近、基礎に対する教え方について間違った指導を
しているのかなあと疑問を感じることがあります。

昔は、基礎というと同じことの繰り返しで全く面白くないイメージがあり、
私もそういう指導法については、やる気を失わせてしまうことにつながりかねない
と思い、疑問を持っていました。

的確な要領を遠回りせずに教えてあげることが、無駄な時間を使わずに
速い上達につながると信じていたのですが-----—。

長い時間かけて基礎をやって理解しているものは、その後の応用がとても速く、
基礎を省いて応用ばかりやっている人は、
状況が変わるとすぐに対応できなくなりやすいような気がします。

数学の公式と応用問題を数多くこなして、あらゆる問題に対応できる体制を
とっても限界があるのは、私自身受験勉強において経験をしてきたことです。
公式の奥にある道理さえ理解していれば、あらゆる問題への対応は、とても簡単
なのですが、これをわかっている人とわかっていない人の差は、とても大きく、
どうすれば、解消できるのか難しい問題です。

結局、あらゆる分野において、手っ取り早く大成できるものなどなく、
時間をかけて苦労をし、きっちりと基礎を理解している人ほど、その後のアイデアと
スピードが約束されており、速く応用を学んだ人ほど後で急速に伸びなくなる
のがこの世界のルールといってもいいかもしれません。

現代音楽をやるのにクラッシックは基礎として必要であり、モダンバレエをやるのに
クラッシックバレエは必要で、日本料理をするのにしっかりとした、だしの基礎を
学び、野球をやるのに地道なキャッチボールが重要であり、
ラグビーでも小さい間は、勝つためのテクニックを教えるのではなく、
しっかりと基礎をやってきたチームのほうが中学になって強くなるのを見てきましたし、
図面を書くのに伝えるための製図という基礎が必要です。

面白くないことをずっとやり続けてきた人が
後になって、結果的に良かったというケースをよくみかけます。
基礎は、体に染み込むまでやってこそ初めて応用が出てくるものではないかと思います。

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LIGHT TUBEの実施設計が間もなく完了します。
今日は、担当の笠置が藤山の応援を得てまとめた図面一式
意匠図、構造図、設備図の全ての項目と寸法のチェックをしらみつぶしに行ないました。
どんなにわかっていることでも一つ一つ確認し、確認を終わった項目、寸法は、
全てチェックのサインを入れていきます。
各室の四面展開の通り芯の確認、展開記号、建具キープランと建具の確認、
仕上げと下地、納まり、構造との取り合い等、一面一面徹底的にチェック!
日頃、どうでもいいような性格が一変するほど集中してチェック!
全ての図面に日付と自分のサインを入れて完了。
スタッフは明日から一気に修正作業に入ります。

佐賀のTさんの計画がのびのびになっており気になりますが、今週いっぱいは
まだ、動けそうにありません。
また、少し待っていただこうかなあなどと適当なことを考えていますが、
もしこのブログを読まれておられましたら本当にすいません。

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きょうは、午前中はひたすらLEAF HOUSEの実施設計。
午後4時より熊本のRIVERSIDE HOUSEの打ち合わせへ。
例によって担当の藤山が運転しながらの雑談。
当アトリエの設計した住宅がスペインのバルセロナのロフト出版社を通して
ドイツ、ケルンにあるdaab出版から紹介されていることについて
どういう関係なのか話題に上がりました。
両出版社が兄弟会社かどうか知らないけれども、スペインとドイツが
つながりがあるのは、昔の王家のつながりがあるからかもと言うと
藤山、例の低めの声で、「それってメジチ家ですか?」
「ばか言え!メジチはイタリアだし時代もルネッサンスじゃないよねー」
「そうそう、確かハプスブルク家でつながっているのかも」
スペインのカルロス5世は、オーストリアの出身だから、スペインとドイツは
つながっており、それで兄弟会社かもという勝手な話をしながら熊本へ。

今回は、室内の見え方と開口部の関係について内観パースを通して打ち合わせを
行いました。

途中、ビールとツマミを買って9時半に事務所に戻り、ささやかな51才の誕生日を
祝福しました。妻が仕事でない時は、通常、とんかつが我が家のささやかなお祝いです!
今回は、施主からいただいたドライカレーをおいしくいただきました。

きょうは、妻が出社した後、お昼に一輪のピンクのバラとシャンペンがオフィスに
妻からの心遣いとして届きました。結婚して24年間、共働きをしているのですから
お互いに無理が言えないのは理解しており、気分的にも楽です。
共働きは、程ほどに距離があるのがかえって新鮮で、私にはとても合っています。

ところで51才!あー10年前の肉体が欲しい!!

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先々週よりLEAF HOUSEの実施設計を行なっています。
構造上の梁の架け方、庇端部の防水納まりと屋根の厚みをできるだけ
薄く見せるための検討、屋根勾配と雨樋の位置、リーフハウスとしての
屋根の重なり具合、耐震壁に必要な構造ブレースの位置等々頭が痛くなるような
詰めを行ない、何とか伏図と軸組図一式を書き上げました。
全体の骨格がやっと見えてきたので、今日からは平面詳細図の作成に取り掛かって
います。
平詳は1/50の縮尺で書くのですが、手書きの時は、適当に納まりをごまかして
書いていたのが、CADでは1/1レベルまで無段階に画面上での拡大が可能であるため、
私の場合、どうしても施工上の納まりを考えながら書いてしまいます。
結局、1/1の原寸図を書いている事と同じになりとても時間が掛かります。

設計事務所の仕事は、私も含めスタッフとともに毎日、地道な作業の積み重ねが
メインであって、決して華やかなものではありません。
じゃー何が面白いの?と思われるかもしれませんが、一個一個目標に向かって
クリアしていく作業も常にアイデアや判断が要求されており、決して機械的単調な仕事
ではありません。結構面白い部分があります。
また、設計通りに現場でどのように納まっていくのか、現場での実証がありワクワクします。

建築家には、理論と実践と結果が求められ、理論がどんなに良くても実践を可能に
するものでないと絵に描いた餅であり、
施主との出会いとコストは乗り越えなければならない大きな山の一つです。
また、実践しても施工的に納まりが悪かったり、
空間が大雑把で間が抜けていたり、
色のセンスが悪かったり、
素材の使い方が下手だったり、
仕上げが多すぎたり、
空間のプロポーションが悪かったり、
使い勝手の悪いデザインだったり、
雨樋を見せないことに全く注意が払われていなかったり、
家の中に風が通らないはめ殺し窓が多用されていたり、
理論が空間のあり方とリンクしていなかったり
等々では、結果が伴いません。

これからも、実務的部分において、最後までトータルに整合性のある建築
を作っていきたいと思います。

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2007.10.27

私の呼び名

昨日の食事会のなかで、施主のKさんの奥様より、事務所のスタッフが
私のことを呼ぶ場合、建築家に対する呼び方としてもっとふさわしい呼び方が
あってもいいのではとのお話がありました。
当アトリエではスタッフに私のことを「所長」と呼ばせているのですが、
企業の営業所長と建築家が同じ呼び名では、立場が違いすぎるとのありがたい
ご意見をいただきました。
でも若いスタッフに大石さんと呼ばせるのも何か変な感じですし、先生も違いますし、
設計事務所だから所長でいいと考えていたのですが-----–。
確かに、自分が代表を務めているのですから、通常は「社長」と呼ぶのが一般的かも
しれませんが、私はアトリエという組織にしているため、それも違うような気がして
呼ばせていません。
今日、月の舎に清原君の作品展を見に行ったところ、たまたま来ていたので、
彼が柳瀬事務所時代、柳瀬さんのことを何と呼んでいたか聞いたところ、うちと同じで
「所長」でした。
この話って結構面白いかもしれず、他の事務所では皆さんどうなんでしょうか?
たとえば、ライターマンのところではどうでしょう?あそこのOBは、ブログでは、
ライターマンのことを「アニキ」とか「あにやん」と呼ばれていますが、
独立前では「アニさん」ですかねー?奥さんの容子ちゃんは「ネエさん」でしょうか?
何だかなんとか組のようなイメージになりますが-----–。
例によって妄想は限りなく拡がっていきます。
大分のアトリエラッツのKさんはCEOの肩書きがついていますが、「シーイーオー」 と
呼ばれているんでしょうか? 
ちなみに世界的に有名な建築家である伊東豊雄氏は、何と呼ばれているんでしょうか?
ばかばかしい話かもしれませんが、興味のある題材なので
伊東さんと仕事をされている矢作さん!このブログを読まれていたら是非教えて下さい!

“私の呼び名” への3件の返信

  1. SECRET: 0
    PASS:
    うちは「所長」に違和感があったので、「〜さん」ですね。スタッフに対しても呼び捨てはせずに「〜さん、〜くん」 です。伊東さんの所も確か「伊東さん」だったと思います。ADHも「〜さん」でした。
    「所長」は営業所長と同じ呼び方というのもありますが、僕的には家内工業の家族が仕事場でお互い「社長」とか「専務」とか言い合っている感じがして。お笑いの「次長課長」的な感じもありますし。
    ご参考になりましたでしょうか?

  2. SECRET: 0
    PASS:
    矢作さん、書き込みの指定までしちゃってごめんなさい!
    やっぱり「~さん」なんですね。
    確かに「所長」も「社長」も家内工業の家族が呼び合っているとしたら
    お笑いに近いというのは、とても的確な指摘で大変参考になりました!

  3. SECRET: 0
    PASS:
    うちは「所長」です、知らぬ間に「所長」と呼ばれてました。
    事務所では「アニキ」ではないです。外ではたまに「アニキィ~」と呼ぶ人がいます。不思議です。

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