2007.06.22
図渡し完了
「西に向かって開け!」プロジェクトの実施設計が完了し、昨日の午前中に
施主への図面説明を行ないました。
そして本日、施工業者の方へ図渡しを行いました。
これから、2週間かけて見積りを行なってもらいます。
計画の段階でどんなに面白いと思われる建物であっても見積りを行なって施主の
ご予算と全く合わなければ、意味がありません。
斬新なアイデアには、住宅としての機能や施主の要望、ご予算を満たすリアリティ
が必要です。
設計事務所のスタッフは、過酷な労働時間と安月給にもかかわらず
その過程(リアリティ)を経験していくことで、より実践的な方法を日夜、悪戦苦闘
しながら学んでいます。
そして、たくさんの人々が関係しながら建物が出来上がっていく過程の先には大きな感動
が待っています。それがあるからこそ頑張れるのかもしれません。
2007.06.21
今日は近大day
毎週木曜日は近畿大学の授業です。近畿大学では、建築・デザイン学科の
2年生に対し空間造形演習という実習課題の授業を行なっています。
僕が学生の頃は、建築施設の設計課題しかなく発想を開拓していくような
こんな授業は全然ありませんでした。現在では、旧芸工大(現九大)の
芸術工学部の環境設計と九産大の建築学科が、同じような授業を行なっており、
建築やデザインを志す学生においてコンセプトをたてて物事を組み立てていく
方法論を学ぶことはとても重要だと思っています。
したがって、このブログを見ているらしい近大諸君!君たちは恵まれています!
だから、なまけずアイデアを搾り出す努力をしなさい!
前期のI くんが後期のクラスには面白いのが3人いると言ったけれども
どこにいるんでしょうねー?
いまのところぜーんぜん見当たりませんが。
後期諸君!悔しかったら実力をぜひ僕に見せてほしいと思います。
近大の授業後、事務所にもどり、天神にあるイタリアンモダン家具カッシーナ
の新作レセプションパーティに行ってきました。今回は、近代建築の父と言われている
フランスの建築家ル・コルビジェのデザインした家具の復刻品発表パーティです。
今から80年前にデザインされたものとはとても思えません。驚きと同時にコルビジェの
すごさと現代のデザイナーに対する強烈なアッピールを感じました。
その後、お腹が空いたので一風堂大名本店にラーメンを久しぶりに食べに行きました。
そこのカウンターにこういうものが置いてあったので近大諸君のために撮りました。
こんなものをカウンターで撮る恥ずかしさを理解してほしい!勇気をだして撮ってきたんだぜ!
君たちもこの言葉をしっかりと頭の中に叩き込み次回、僕のチェックを受けてください。
きょうは、趣味と実益を兼ねながら最後まで君たちへのサービスに徹した大石でした。
2007.06.20
花束
今日も昼から良い天気になりました。きのうより空が抜けてて青く感じます。
でも雨も降ってもらわないと渇水が心配です。
今日は、夕方の6時より筑後で打ち合せがあり、本日がたまたま施主の奥様の
誕生日ということで、お花を差し上げることにしたのですが、
近くの花屋では、センスのいい所がなく、午前中いっぱいかかってスタッフと
花屋を調べまくっていました。
中年のおやじがさりげなく花屋にいって、自分で組み合わせを考えて、花束を
妻のために依頼できればかっこいいでしょうね。
ぼくもそんなかっこいいおやじになりたーい!
デザインをやっているのですから手際よくレベルの高い花屋を知っておくべきでした。
今後気をつけたいと思います。
2007.06.19
タペストリーハウス検討中
今日は、見事に天気予報がはずれて、いい天気でした。
梅雨の雨も落ち着いた気分になって好きですが、たまたま
晴れ間が拡がるとご褒美をいただいたような気分になります。
さて、アトリエの中を吹き抜けていく少しばかり湿った風を感じながら
今週の土曜日に提案する住宅の第3案を検討しています。
プロトハウスからのご紹介物件で、定年退職後、福岡のご実家
へ戻られての建て替えをご検討されているご夫婦のためのお住まいです。
奥様にとっては、福岡の生活が初めてとなるため、ワンルーム的拡がりのある
空間ではなく程よい広さの空間が散らばりながらつながって、一人でいても
寂しさを感じない楽しい住まい、名付けて「幕の内ハウス」を第2案で提案しました。
敷地全体をお弁当の仕切り板のように壁で仕切り、ご飯である庭と具である個室を
散りばめます。どこを食べてもおいしい楽しい生活ができるそんな住宅です。
ところが、残念ながら概算コストでどうしても調整が難しく、大変気にいられていた案
を断念せざるを得なくなりました。
そこで今度は、第2案をもっと整理してフレームの幾何学的構成による光と緑を
織り込んだタペストリーのような建物を第3案として検討しています。
2007.06.18
フローラルな雰囲気としてのやわらかさの表現
最近、植物をモチーフにした宣伝広告やデザインを数多く見かけるようになりました。
この前は、朝刊の全面広告の背景として花が使われているものが2面あり、
とても興味を持ちました。
これまで花柄のモチーフは、女性的優しさをあらわすフェミニンな世界だけに
限られていたのが、再評価を経て現代的にアレンジされ、確かにやわらかい雰囲気を
造り出しています。
そう言えば、2007新建築3月号の表紙を飾った西澤立衛氏のHOUSE Aの空間も
透明感のあるフローラルな雰囲気を感じました。これは、庭がテーマ(庭の捉え方も
かなり抽象化されていて面白い)とはいえ植物をあくまでインテリアとして置いてあるだけ
でしたが、これまでの建築写真のシーンとしては異例で、ゆるやかに下がっているカーテン
と相まってやわらかさを表現するための意図的なものを強く感じます。
また、今月の新建築住宅特集7月号には曽我部さんの自邸が紹介されていましたが、
この家では壁面に浅井祐介氏による植物の絵がイラスト的に至る所に描かれています。
理由については、コメントに書かれていませんが やはり最近の建築におけるやわらかさ
みたいなものの表現として敏感に反応しているような気がしました。