BLOG

先月起きた、パリのノートルダム大聖堂の火災は、石造りにも関わらず

どうしてあんなに燃えるのかと思われた方も多いと思います。

 

パルテノン神殿もそうですが柱や梁は石でも屋根は木造のため、

遺構は木造の屋根部分がない状態で残っています。

 

ノートルダム大聖堂は中世に発達したゴシック様式によるものですが

元々、教会建築は上から見ると十字型になったバシリカ形式というプランが

基本になっており中央部の奥までのスペースも主廊と両サイドの側廊に分かれ、

十字の直交する袖廊との交差部に尖塔が立つのが基本形です。

(ガウディのサクラダファミリアも外観は一見特異な形状ですが

平面プランにおいては、このバシリカ形式を踏襲しており、

十字型の交差部に最終的には巨大な高さの塔が立つことになっています。)

 

ノートルダムは、正面部に二本の大きな双塔が立ち上がる特徴的な形態で

丹下健三氏が設計した東京都庁舎の外観は

この双塔からの影響を受けているとも言われています。

 

ノートルダムの内部空間は石造による交差ヴォールトにリブを付けた天井で

たぶんこの天井裏に屋根を支える木製の梁材が掛けられていたのだろうと思います。

したがって今回の火災ではこの屋根裏スペースが十字型の交差部に立っている

中央の尖塔も含め焼失しています。

 

ノートルダム大聖堂はゴシック建築初期の傑作と言われていますが、

同じシテ島内に建つサント・シャペルは、石造でありながら

ゴシック建築が目指した神の空間を極限までに大きく取られた

ステンドグラスによって表現された教会で内部空間に入ると

彩色された光の洪水に圧倒されます。

ゴシックの技術が到達した頂点の教会と言っていいかもしれません。

 

ノートルダム大聖堂の火災は人類にとって不幸なことですが、

前述したように焼失部は限られ、日本の木造建築物のように

全焼ではないためきっと2024年のパリオリンピックまでには

再興できると思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


2019.05.01

令和の始まり

いよいよ令和が始まります。
令和の時代は平成の30年より長くないかもしれません。

平成が人類史における産業革命に次ぐ情報革命の時代だったとすれば
次の令和は巷でよく言われているようにAI革命の時代かもしれません。
そう考えるとボクが生まれて30年間はほとんど大きな変化がなく、
次の30年から世の中が大きく変わり出した時代だと言えるかもしれません。

AI(人口知能)の時代になればこれまで知識や経験を通しての
専門性が必要とされていたことを全てAIがやれることになります。

建築で言えば、設計では計画における平面プランニングでの動線や面積
法的制約のクリアなどを全てAIで確認することができ、
我々はコンセプトやデザインを考えるだけで済むようになります。
模型もコンピューターからの指示により自動的に3Dプリンターによって
確認をすることができるようになります。

また、それを実施設計としてまとめる作業は、
施工上の問題(雨漏れ、メンテナンス、納まり等)をディープラーニングによって
学習することでコンピューターがそれらを踏まえ自動的に作図をするように
なります。
我々はデザイン上のチェックだけで済むようになります。

そう考えると専門性をAIが補助することでどの分野の職業でも
あらゆる異業種からの参入が可能になり
職業の領域が曖昧になってくるかもしれません。
そうなればこれもまで思いもつかなかったユニークな発想が
あらゆる分野において百花繚乱のごとく花開く可能性が出て来ます。

これまでAIを否定的に捉えがちですが、肯定的に捉えれば令和は新しい時代の幕開けとしての
面白い時代になるかもしれません。

世の中は4月27日(土)から5月6日(月)まで10連休のようですが
ボクは5月の3日まで仕事で4日から3日間休むつもりです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

2019.04.30

平成の終わり

きょうは平成最後の日。

昭和生まれのボクにとって昭和は何か時代というものを強く感じます。
それは昭和が戦争と平和、悲しみと幸せ、どん底と繁栄、個人と集団、
束縛と自由、弾圧と解放、そして不条理、すべての人々が否応なく
時代の渦に巻き込まれた激動の時代だったからだろうと思います。

そして平成。
平成の30年は昭和と違い、戦争がない平和な時代でしたが
多くの自然災害が起こり数多くの悲劇も生まれました。
我々世代にとっては30代のちょうど働き盛りに始まり人生において
もっとも大事な時期と重なっています。

昭和に比べ時代としての印象は薄いながら、あっという間の30年でした—。
サヨナラ平成!

こんな日にいつも通りであってはいけないと—-急に思いつき—-
そうだ!西鉄グランドホテルの地下にあるイタリアンレストラン
「マンジャーモ」で平成最後のディナーをしよう!——
と早速、仕事中の妻へメールをしました。

幸い当日ながら予約も取れ、二人で久しぶりにフルコースを
ワインを飲みながら堪能しました。
お店の人に記念写真を撮ってもらい早速、東京にいる二人の息子へ
ラインでメールを送りました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

佐賀の住宅の1年検査に行って来ました。家具が明日、搬入されるそうでやっと竣工写真を撮影することができるようになります。

 

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

今日は久留米 I PROJECTの引き渡しでした。
まだ塀や植栽などの外構工事が残っています。

 

 

クライアントの意匠的な変更も多くとても難しい対応をしなければならない
現場でしたが何とか納めることができたと思っています。

たぶんクライアントも設計者も最終的にこのような建物になるとは当初、
全く考えておらず、長いやり取りの中でこのようなものが
出てきたと言っていいのかもしれません。

特に面白いのは、このコア部分に取り込んだトップサイドライトの扱いで
結果的にはボクらしいのかもしれませんが、当初この案には組み込まれておらず、
クライアントとのやり取りの中、アイデアとして出てきたものです。

今後、別の住宅でこれを使ってみたくなりました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です