BLOG

その後、松山さんが
『THE INTERNATIONAL ARCHITECTURE AWARDS 2016 国際建築賞』
を受賞した「奄美大島の住宅」を見学。

SONY DSC

建物はコンクリート造の平屋建ての直方体で 両サイドが上とサイド方向に外部空間として斜め状に 切り取られたシンプルな形態。 切り取られた外部は道路側正面がアプローチスペースを兼ね 建物の反対側スペースはデッキテラスになっています。

SONY DSC

内部は天井高さ3mのワンルーム空間でクライアントの要望でトイレから 浴室に至るまですべて扉がありません! 最低限の視線制御機能を兼ねた収納スペースがアイランド状に点在し 各々の領域が造られています。

SONY DSC

特にうまいなあと思ったのは 両サイドに大きく開いた開口部を床までの掃き出し窓とせずに 腰掛けることができる高さと奥行きが造られていることで ここで座ったりすることにより ソファに座る以外の何気ない日常の中での 所作が多様化されより生活が生き生きとしてくるだろうと感じました。

SONY DSC

キッチンのコンテストでグランプリを取った長さが5mあるキッチン テーブルと一体になっているためキッチン側は床が下がっており 末廣さんが中に立つとまるで「マスタースエヒロ」!! 2軒の建物の施工は政建設の政(つかさ)さんによるもので 今回の見学に対し立ち会って頂き 施工上の苦労されたところなどをiPadを通し 施工写真を見せて頂きながら詳しい説明を伺うことができました。 各工程の施工写真を感心するほど記録されており 素晴らしい設計の建物の実現には、素晴らしい施工者の存在がある ということがよくわかりました。 朝早く起きるということは こんなに時間が長く感じるのかと改めて思いました。まだ11時! お昼は有名な鶏飯をおいしく頂き、保存されている奄美の民家を見学。

SONY DSC

昔ながらの懐かしい土間とかまど

SONY DSC

その後、有名な大島紬の制作現場を見学、何度聞いてもタテ糸とヨコ糸を 組み合わせた複雑な設計図がどうなっているのかよくわかりませんが 大島紬がとんでもない膨大で精緻な手作業によって作られ 非常に高価であるということは理解できました。

SONY DSC

夜は松山さんの叔母さんのお店で料理を頂き、黒糖焼酎を飲み 島唄を聞きながらみんなで踊ったとさ------あーこりゃ!こりゃ! 楽しい夜は更けて行きました------つづく

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


奄美出身の松山将勝さんが、この度、ご実家の設計を手掛けられ
ミスターフローリングの平安さんの掛け声で早速、ツアーが組まれ
参加しました。

11月3日、福岡空港発奄美行は午前7時発と夕方の2便しかないため
平安氏より何度も遅れないように注意を受け
午前4時半に起きましたがとても眠い!

参加者はあいうえお順で大石和彦・知子の我々夫婦、末廣香織氏、田中俊彰氏
平安さん、案内人の松山将勝氏、柳瀬真澄氏の計7名

奄美へは平安さん、柳瀬氏を除きみな初めての旅行です。

当日、九州はみな晴れていましたが、奄美地方はあいにくの雨模様。

奄美大島の北部に位置する飛行場より松山事務所元OBで現場担当だった
小松君の運転で30分くらいの場所にあるご実家へと向かいました。

SONY DSC

道路との境界には土木工事で使われる「じゃかご」が (ボックス状のスチールメッシュの中に石を詰め込み、積み上げたもの) 擁壁と塀を兼ねて使用され、その奥には ミースを思わせるような内部から外部へ十字状に突き出たコンクリートの壁に ふわりと乗った薄いシャープな屋根の建物が!!

SONY DSC

建物は75mm角のスチール無垢材がドット状に立ち屋根を支えており その中を奄美の民家が分棟型であることから着想された コンクリート壁のボックス群が点在しています。 したがってこの建物の構造は鉄骨造であり、 コンクリートの十字状の壁は 空間に流動性を持たせながら内外を連続させています。 松山さんはこれまで外部に対し閉じることが多かったなか 珍しく外部に対し開いた建物になっていました。 外構のデザインも十分な配慮がされており植栽は造園家とともに 奄美の山に入り、地域の植生を配慮しながらセレクトが行われています。

SONY DSC

屋根は鉄骨の柱より2mせり出し、 きっと晴れの日には深い影を造っていると思います。

SONY DSC

説明によると知り合いの彫刻家の方が20年寝かせた 「熟成鉄板」による表札、「松山」の下の穴がインターホンとのこと! ピンぽーーんしかありませしぇーーん!!

SONY DSC

天井高さは2.5m、コンクリートの十字状壁の高さは2.1m 内部に入ると空間の拡がりが心地よく、外部の風景へと繋がっていきます。 天井はフレキブルボードの接着素地仕上げでコンクリートとの相性が良く また、非常に風合いを感じさせる素材です。 天井照明は、特注で天井にフラットに埋め込まれており点灯させない限り ほとんど存在を感じさせません。

SONY DSC

左手前がエントランスホール、 左側壁は駐車スペースと和室前内部廊下を隔てている十字状壁の一部、 正面廊下の右側はコンクリートの壁でボックス状に囲われた和室

SONY DSC

SONY DSC

構造上のスチール柱がそのまま床柱として表現されておりほんとにうまい!! この床板にもあの「熟成鉄板」が!!

SONY DSC

リビングスペースは床座で一部がタタミになっており色味が慎重に
選ばれ空間に溶け込んでいます。

SONY DSC

コンクリートに埋め込まれたスイッチプレート

SONY DSC

 アクリルでシリンダー状に作った特注のブラケット 等々枚挙に暇がないほど構成、構造、空間、ディテール、素材、設備が 徹底的に詰められており 松山さんのこれまでの集大成として渾身の作品でした。 つづく-------  

“奄美ひらじいツアー その1” への1件の返信

  1. 2月7,8日にて仕事で奄美大島に行きます。松山様に本日連絡いたしまして8日に見学させて頂くこととなりました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

d0122194_16230274

ヤフオクドームでの日本シリーズ、
ソフトバンクホークス対広島カープの試合を
今回、知り合いの方のチケットで初めて観戦させて頂きました。
とにかく日本シリーズを球場で直接観るのは初めてです!
それもグラウンド側に突き出たコカ・コーラ席の最前列!

d0122194_16225679

 バッター明石!!   打て―!!なんて身近に観ることができ
臨場感が半端ないです。

ソフトバンクホークスはリーグ優勝した西武とのCSシリーズを
4勝2敗と下剋上で勝ち上がり、
セリーグの覇者、広島カープと広島で1分け1敗で福岡に戻り、
昨日勝って今日は1勝1敗1引き分けで迎えた大事な1戦でした。

ソフトバンクは西武との試合を5試合で44得点という
好調な打撃で勝ち上がってきたため、
広島との試合でも初戦から打ちまくると思っていたところ
第2戦まで広島投手陣に打撃が封じられた状態となり
昨夜は広島に有利な形でホームグランドでの初戦でしたが
試合は一転して息詰まる打撃戦でかろうじて9対8で勝利。
したがって今日の試合は5分に戻しての大事な試合となりました。

先発はホークスが東浜、カープが野村
これまで昨夜を除きいずれもカープに先制されており
きょうも初回から2番菊池にヒットを打たれ、
イヤな展開の中、これまで3試合で1本しかヒットがなかった3番丸が
待望の2塁打!またしても先制かと思いましたが
ソフトバンクは外野の柳田から中継の明石を経て本塁に突入した
菊池をベース手前でアウト!b見事な守備で
東浜の投球を楽にさせました。
ホークスはホームランも多いし打撃力がありますが
守備が鍛えられておりエラーも少なく、
やはり日本シリーズに下剋上であっても十分に出れる資格を持った
チームであることを示しています。

このプレーによって試合の流れはソフトバンクが有利になったように
思います。それにしてもCSの時から工藤監督の采配が
短期決戦を考慮した意図が十分感じられるものであり
臨機応変にオーダー変更を行いながら厚みのある選手層を
うまく利用されていると思います。
それはこれまで短期決戦に弱かったホークスとはまた全く違う一面であり
今回、かりに日本シリーズで広島に負けたとしても
今後のホークスにとって若手も伸ばせて十分な収穫があった年に
なりそうです。

さあ、明日、第5戦!
この試合、フォアボールを出さないことと先制点を取られないことが
ポイントだと思いますが結果はいかに---------。 

 ホークスガンバレー!!!

d0122194_16230578

(これは広島のラッキーセブンでの広島ファンによる応援)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

今日、藤崎の区役所へ住民票と所得証明書を取りに行って来ました。
1階のカウンターでは職員の方々が忙しく働かれているのを
書類ができる間、ぼんやりと眺めていると—-
制服を着た職員の方以外に私服の女性の方もおられます。
よく市役所は臨時職員を募集されていますが
私服の方はアルバイトの方だろうか?とも思う—–。

次に、一般の民間の会社では究極のところ営業利益を上げることが
昇進の大きなポイントになると思うのですが
役所というところは、営業利益というものがないだろうから
一体、どういうことで昇進するのだろうか?と思う—–。
マネジメントの能力差でしょうか—–
それとも従来通り、年功序列によるものでしょうか?

そんなことを考えていると番号が掲示され、
書類を受け取り次は2階の税務課へ向かう。

ここではいつも思うことですが、
1階よりも職員の方がとても愛想よく感じるのですが
気のせいでしょうか?(1階が悪いわけではありません)
税金を納めている市民に対して上司から務めて愛想よくするように
言われているのだろうか等々を考えながら仕事場へ戻りました—-。

最近、お役所の対応サービスがむかしに比べ随分丁寧で
良くなったように思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

2018.10.24

野武士の世代

建築家を志すきっかけとして我々世代が影響を受けたのは「野武士の世代」
だろうと思います。
当時、小住宅等を雑誌等に盛んに発表していた建築家たち
石山修武、長谷川逸子、室伏次郎、毛綱毅曠、相田武文、六角鬼丈
渡辺豊和、安藤忠雄、伊藤豊雄、山本理研などをさして
モダニストであった槙文彦氏が語ったものとされています。
「野武士」という用語を調べてみると特定の主人に仕えない武士とのこと
のようで当時建築の学生であった我々にとっては
実に個性的でユニークな存在であり、学生運動に影響を受けた反体制的な
ところがあったと思います。

今回、これまで購入した建築関係の本や送って来られた建築の定期刊行物などで
パラパラめくっただけであまり読んでいなかった本をリストアップし
きちんと読んでみようと読み進めていいたところ
その中に藤森照信氏による「野武士の世代」について書かれた文章を発見
これはTOTO通信の藤森氏の連載記事で「現代住宅併走」という題名ですが
藤森氏が著名な作家による住宅を訪問しての印象を書いているもので
この回は三分一氏の住宅でした。
以下ご紹介
ストーン・ハウス雑誌発表のときの解説には次のように書いていた。
「化石燃料系素材の使用を最小限にとどめ、木材、石などの自然素材と空気や雪
といった自然要素との相互作用によりその潜在性を最大限に引き出すような
建物自体の姿形を導くことができるならば、そこには地球との知的な関係を
保ちながら暮らしていける場所が生まれると考えている。」

時代の違いかもしれないが、私らのような「野武士の世代」は、若い頃、
こういう文は絶対に書かなかった。
ここでうたわれているのは時代と社会の正論で、
こういう内容は新聞記者へまかせておけばいい。
野武士たちは時代と社会から建築を説明するのはダメと決めていた。
建築を自分の内側から説明したかった。
私が、オッと思ったのは、雑誌発表時の正論ではなく、
現場で会って直接聞いた、”半分地中に埋まる”とか”地球のディテール”の
話の方だ。地球ではなくて”地のディテール”とか
せめて”大地のディテール”程度にしてほしかったが、
とにかく、土に埋まるとか地のディテールという言葉からは、
ピラミッドに取り組む設計者の身体が感じられる——–。

次に同じシリーズでまた、藤森氏による野武士発言を発見したので
ご紹介

この回は吉田研介氏でした。

後に「野武士」と呼ばれる私たちはの世代は、磯崎新世代に兄事しながら、
そのすぐ下の宮脇檀、黒沢隆、吉田研介などには近寄らないようにしてきた。
私たち世代で最も鼻の利く石山修武がそのあたりを仕切り、
リードしたのだと今にして思うが、———

断片的ではありますが「野武士の世代」の臭いみたいなものが感じられる
文章で非常に面白く思いました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です